ビューティ

見過ごされがちなX世代の消費力 プレステージ・ビューティの消費額が急成長

ベビーブーマー(60代前半〜70代前半)とミレニアル世代(20代前半〜40代前半)に挟まれたX世代(40代前半〜60代前半)は、ほかのどの世代よりもプレステージ・ビューティの購買意欲が旺盛だ。消費者行動の調査会社サカーナ(CIRCANA)のラリッサ・ジェンセン(Larissa Jensen)=シニア・バイス・プレジデントは、「X世代は、4年後にはベビーブーマーよりも大きくなる」とX世代の重要性について言及。全米のX世代はおよそ7000万人で、アルファ世代(10歳以下)の倍以上という。「年を重ねるにつれ、肌は変化する。美から遠ざかっていると感じる人もいるだろう。しかし、X世代はつながりを求めている」と続ける。

X世代の消費行動は、年配の消費者よりも若者に近い。ジェンセン=シニア・バイス・プレジデントによると、ベビーブーマーやZ世代(10代前半〜20代半ば)、アルファ世代は価格と価値を重視する一方、X世代は考え方を重視するという。「美しさよりも、良い気分になれることの方が重要。キーワードは包摂性と手軽さだ」。

X世代の消費力

米「WWD」とサカーナは、X世代の考え方と購買行動について、独自の調査を行なった。

それによると、アメリカのX世代は年間約1730億ドル(約26兆8150億円)を一般消費財に費やしている。消費の上位カテゴリーはアパレル(21%)、テクノロジー(14%)、家のリフォーム(12%)だ。プレステージ・ビューティが占める割合は6%で約103億8000万ドル(約1兆6089億円)だが、消費額では最も急成長している。

年齢別プレステージ・ビューティ消費額の成長率

55歳以上:+11%
45〜54歳:+14%
35〜44歳:+11%
25〜34歳:+5%
18〜24歳:+9%

同カテゴリー内でのX世代の消費額はフレグランスとスキンケアが最も高く、メイクアップは美容費全体の約25%を占める。X世代は、ほかの世代よりもメイクアップとフレグランスの消費額が多い。88%が、今後数カ月にわたり美容支出を維持すると回答している。

過去1年間のヘアケア消費率

X世代:94%
ベビーブーマー:91%
Z&ミレニアル世代:90%

過去1年間のスキンケア消費率

Z&ミレニアル世代:86%
X世代:81%
ベビーブーマー:74%

過去1年間のメイクアップ消費率

X世代:72%
Z&ミレニアル世代:64%
ベビーブーマー:59%

過去1年間のフレグランス消費率

Z&ミレニアル世代:58%
X世代:53%
ベビーブーマー:32%

X世代が利用するビューティ小売トップ3

アマゾン(AMAZON)
セフォラ(SEPHORA)
アルタ ビューティ(ULTA BEAUTY)

トップ3以外で、X世代からの支持を最も増やしているビューティ小売

コールズ(KOHL’S)
ノードストローム(NORDSTROM)

X世代のチャネル別消費動向

消費パターンはベビーブーマーよりも若い世代に近く、ECや専門チャネルで購入する傾向が高い。

マス:66%
ドラッグストア:42%
EC小売:38%
専門店:38%
ディスカウントストア:23%
食料品店:21%
百貨店:16%

エイジングに関して

若い世代と同様、X世代の3人に1人は買い物をする前にオンラインで商品をリサーチしている。ロイヤリティ・プログラムも重視。子どもの影響を受けている消費者のうち、X世代の34%が子どもの影響が“強い”と回答。その他の重要なキーワードは、無料サンプルや、友人・家族からの勧め、店内ディスプレイなど。X世代は、ほかの世代よりもエイジング用語になじみがあるが、老いを感じさせるものは敬遠する。

アンチエイジング商品に関する共感しやすい文言

アンチエイジング(Antiaging)
予防(Preventative)
美魔女(Age-defying)
再生(Regenerative)
老化予防(Age-prevention)
年を感じさせない(Ageless)
成熟肌用(For mature skin)
タイムレス(Timeless)
更年期(Menopausal)

美容商品を購入することは自分への最大のご褒美と考える人の割合

X世代:75%
Z&ミレニアル世代:67%
ベビーブーマー:64%

X世代は美容に大きな関心を寄せており、自分たちの要望が商品に反映されることを期待している。サカーナによると、X世代は特に酒さやニキビ、シワなどの悩みを抱えている。X世代からは「年齢=老いではない」「アンチエイジング商品の宣伝に、シワに悩むほどでもない若い女性を使うのはやめるべき」「忙しいので、本当に効果のある商品がほしい」といった声が上がっている。

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