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EXOスホインタビュー 俳優としての新しい顔と可能性

「WWD KOREA」のデジタルカバーにEXO(エクソ)のスホが登場。グループのリーダーとしての活躍はもちろんのこと、俳優としても躍進するスホにインタビュー。ドラマや仕事へのスタンスや思い、プライベートについても語った。

WWD KOREA(以下、WWD):今日の撮影コンセプトは“ギークシック”でした。今まで見られなかったスホの新しい魅力を発見した感じがします。

スホ:私も今まで試したことのないスタイルなので、撮影前はどうなるのか気になっていましたが、撮影した写真を見てみると自分にとって新しい感じがして満足です。

WWD:新ドラマ「世子(セジャ)が消えた」の初放送を控えていますが、今、撮影真っ最中ですよね?

スホ:撮影はあと半分しか残っていません。去年の冬にクランクインしました。まだ先は長いですが、キム・ジンマン監督が楽しい現場の雰囲気を作ってくれるので、毎日楽しく撮影しています。

WWD:一緒に出演する俳優たちとの相性はいかがですか?

スホ:イェジは11歳、ミンギュとは10歳違います。かなり自分よりも後輩達ですが、みんな演技力がしっかりしている俳優さんたちです。時々、会話をするときに世代差を感じることもありますが(笑)。デジタルネイティブだからか......確かに興味の対象が全然違いますね。彼らから新しいインスピレーションを得ることも多いです。

WWD:同感です。最近はデジタルを超え、AIを使ったさまざまなプログラムが登場しているので、世の中を見る新しい視点が必要な気がします。

スホ:そうですね、私もチャットGPTはよく使いますが、正直、私はアナログの方が楽です。スマートフォンのアプリも何個もインストールできてないものがあります。そのようなツールをたくさん活用した方が良いのは分かっているのですが、実際にやろうと思うと面倒くさくなっちゃって。

WWD:経験したことのない時代劇の人物を演じる上で苦労したことはありますか?

スホ:デビューしてから初めて挑戦する時代劇なので、最初は台詞のトーンや時代背景がよく分からなかったです。もちろんフィクションですが、キャラクターの研究をしているうちに自然と歴史にも興味がわいてきました。そこで、過去に話題になった時代劇ドラマを調べながらそれなりに勉強しました。

WWD:いいですね。グローバル市場に韓国の伝統文化を正しく理解してもらう機会でもあるので、どんな世子(セジャ)の姿を披露するのかとても楽しみです。

※世子(セジャ)=朝鮮王朝時代の用語で、次期王位を継ぐ者の略称

スホ:世子(セジャ)を思い浮かべると、どうしても重厚感がないといけないと思い、最初は負担になりました。でも、作家さんたちが今まで見せてくれたEXOリーダーのスホのありのままの姿でいいんじゃないかとアドバイスをしてくれて、自信を持つことができましたし、現場で監督さんとたくさん相談しながら、私だけの色を探しています。

WWD:演技以外に最近夢中になっている趣味はありますか?

スホ:面白くない答えになってしまいますが、仕事以外にはありません。誰が何と言おうと、どうせやるなら狂ったようにちゃんとやりたいと思います。他人の目を気にせず、ただ唯一私が熱心にこだわりながらできる事が自分の仕事なんです。

WWD:猛烈に走っていると、時には劇中の世子(セジャ)のように「ポッサム」されたくなる瞬間もあるでしょうね。

※ポッサム=再婚が法的に禁じられていた朝鮮時代に、寡婦を布で包み(包む=ポッサム)誘拐を偽装することで再婚を可能にした当時の風習のこと

スホ:たくさんありますね。実際、忙しいスケジュールをこなしていると、どこかに消えてしまいたくなることもあります。先日、テレビでたまたま「ナナツアー」を見たのですが、設定が面白かったんです(笑)私は特に旅行が好きなので、あのように誘拐されたら、旅行の計画を立てずに済むのでいいなと思いました。

※ナナツアー=芸能人が何も知らされていない無防備な状態で突如パッケージツアーに旅立つ海外旅行バラエティー

WWD:もし今、スタジオの外でナナツアーのプロデューサー、ナ・ヨンソクPDが待っているとしたら、どこに連れて行かれたいですか?

スホ:冬の観光地が好きなので、札幌の雪原とか、アイスランドのオーロラを見に行きたかったのですが、去年の冬に寒いところで撮影をしすぎたせいか、考えがガラリと変わって、暖かいところを越えて、めちゃくちゃ暑いところに行けたらいいですね。

WWD:太陽の光を浴びて溶けるような感じ?

スホ:そうですね、海辺に寝そべってゆっくり休むようなリゾートに行きたいですね。

WWD:旅行に絶対に持っていくものは?

スホ:コンタクトレンズと、メガネかな?

WWD:本当に旅に出かけちゃったら「スホが消えた」ですね(笑)ドラマのタイトルのせいか、ふと疑問に思うんです。人生で自分の意志とは関係なく消えていくものってたくさんありますよね。例えば、時間、人間関係、あるいは物かもしれないし。一番掴んでいたい物は何ですか?

スホ:覇気です。もちろん今でも情熱も、野心もありますが、20代の頃のその野心とは少し違うんです。昔は無謀だと思うくらい無知でもとりあえずぶつかってみたんです。経験が多くなるにつれて多くを知るようになったんです。ある意味良いことで、それで失敗も、挫折も少なくなりましたが、あの頃の無計画で純粋だった野心が時々恋しくなります。

WWD:いろいろなことを体得してきたからこそ、しっかりした今のスホがあるわけですね。仕事をしていて一番やりがいを感じる瞬間はいつですか?

スホ:ファンの方に、私で癒されたと言われた瞬間ですね。誰かに癒されたと言われると、逆に私自身も癒されるんです。デビューから今までずっと好きでいてくださる方々と、同じ時間や思い出を積み重ねていると思うと、やりがいを感じますね。

WWD:今年でデビュー13年目ですが、年数が経つにつれて悩みはありますか?

スホ:やりたいことが多すぎるのが悩みです。計画を立てるのが得意なタイプですが、立てた計画が多すぎて負担に感じる事もあります。

WWD:今話しながらちょっとだけ疲れているように見えましたね(笑)。今までやってきたことよりもやることがたくさんあるって、ファンにとってはワクワクしちゃう発言でしたが、嬉しいソロ・ミニアルバムのニュースも聞きました。どんなミニアルバムになるか少しだけネタバレをするとしたら?

スホ:僕が考える愛や人間関係についての哲学を歌った曲で、ファンの皆さんに伝えたい青春賛歌のようなものです。

WWD:青春賛歌というと...なぜそのような考えに至ったのかという背景は、アルバムを聴けばすぐに分かりますよね?

スホ:ドラマの撮影と同時に準備中なので少し大変ですが、アルバムのコンセプトからプロデュースまで一つ一つ私が直接参加しています。早く聴いてもらいたいですね。

WWD:忙しい時ほど「小さな幸せ」は大きな力になりますよね。最近、スホをワクワクさせる「小さな幸せ」は何ですか?

スホ:LPレコードですね。収集しているのですが、スケジュールを終えて夕方に家に帰って、良い音質のスピーカーで音楽を聴くと本当に幸せです。

WWD:最近ハマっているアルバムは?

スホ:いろいろありますが、最近はビートルズの「Abbey Road」のアルバムをよく聴いています。

WWD:最近発表されたビートルズの新曲も聴きましたか?

スホ:はい、1970年代のジョン・レノンのデモ録音をAI技術で復元したそうです。新技術もいいですが、個人的には、サウンド的にLPレコードが持つ安らぎと心地よさの方が好きです。

WWD:短い会話の中で、スホの考えが深く、しっかりした内面を感じますね。最近、自分自身について新しく気づいたことがあれば教えてください。

スホ:(しばらく考えてから)私は地道な人なんだと思います。振り返ってみると、仕事でも運動でも自己管理でも何でも地道にやってきたんです。些細なことですが、これらを中心に変わらずに守ってきたおかげで、以前よりずっと自信を持てるようになったと思います。20代の頃は期待が大きかった分、挫折も多かったのですが、今は期待通りに結果が出なくても簡単に落ち込まないんです。「言うは易し行うは難し」というのが人間ですからね(笑)

WWD:それでも欲張りなことがあるとしたら何でしょうか? 物でも、新しい分野への挑戦でも、何でもいいです。

スホ:「スホにはこんな姿もあったんだ」と言われるように、自分の多彩な姿を見せ続けること。タマネギのように剥いても剥いても新しい魅力が出てくる様な存在になりたいというか。ドラマ、「世子(セジャ)が消えた」に出演した理由も似ていて、役者としてもっと違う色を見せたいと思って選んだ作品なんです。作品自体が一つのジャンルと言い切れないくらいエキサイティングな展開になる予定なので、多くの方に期待してほしいです。

EDITOR:RUBY KIM
PHOTO:DAEHAN CHAE
STYLING:JIN LIM
HAIR:NAEJOO PARK, JINYOUNG SEO(BIT&BOOT)
MAKE-UP:YUNSU HYUN

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