ファッション
連載 Makuake直伝!共感を得る届け方

テクノロジーの見本市で最高評価 発熱バッグは「電子レンジバッグ」の訴求で2100万円

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モノが素晴らしくても、「届ける」にまで思いを馳せないと売れない時代。「マクアケ(MAKUAKE)」で多数の応援購入という形で支持されるプロジェクトは、モノづくりからコミュニケーションに至るまでの設計の何が違うのか?この連載では、モノづくり企業に伴走するキュレーターが成功体験を伝授。時にモノづくり企業が苦手とする、訴求ポイントの整理からターゲットの設定、トップ画像やキャッチコピーに至るまでのコミュニケーション上の工夫を伝授してもらう。今回は、テクノロジーの見本市で最高位を受賞した、発熱するバッグの話。

今回お話を伺ったプロジェクトは、2018年創業のスタートアップ、WILLTEXが実施している2ウェイの電子レンジバッグ「ウィルクック パッカブル(WILLCOOK PACKABLE)」です。同社は24年1月、ラスベガスで開催された世界的なテクノロジーの見本市「CES2024」に日本代表のスタートアップとして出展。布が発熱する特許技術で実現した、軽くて持ち運べるカバン型のポータブルレンジバッグ「ウィルクック」シリーズは、「CES2024」の家電分野で最高位のベスト・オブ・イノベーションを受賞するなど、世界的にも大きな注目を集めています。

WILLTEXがマクアケでプロジェクトを実施するのは、今回が3度目です。22年に第1弾となるショルダー型の「ウィルクック ホオン(WILLCOOK HOON)」のプロジェクトを実施し、応援購入総額1100万円を集めるなど話題を呼びました。

その後、第2弾として登山用に最適化した「ウィルクック トレック(WILLCOOK TREK)」を開発。今回はこれまでの基本機能は踏襲しつつ、ユーザーの声をもとに素材や形状をアップデートし、「ウィルクック」史上初の機能も搭載しました。リュックとトートの2ウェイ仕様に加え、市販のモバイルバッテリーにも対応するほか、発熱部分は本体から取り外して利用できます。「ウィルクック パッカブル」は既に過去最高となる2100万円以上を集めるなど、多くの人が到着を心待ちにしています。

もともとは、to B向けに繊維商品の開発を手掛けていたWILLTEXですが、コロナ禍をきっかけにto C向けの商品開発に踏み切り、「ウィルクック」シリーズが生まれました。

今後はさらに改良を進め、最終的には布でお湯を沸かせるようにしたいとのことです。また、「ウィルクック」の技術は独占するのではなく、理念と製造ノウハウを大切に扱ってくれるパートナー企業を探し、技術を活用した製品開発に伴走したいそうです。

実行者の想いとユーザー分析

実行者の想い

「ウィルクック」誕生のきっかけは、開発者の1人が自身の子どもに真冬の野外での部活の際に、温かいお弁当を食べさせたいと思ったこと。加えて、代表の方が阪神・淡路大震災で被災した際、温かいものを食べることで心を取り戻した経験が大きく関係しています。
研究開発の過程で、三機コンシスが開発した繊維自体が発熱する世界初の布製ヒーティングシステム「ホットピア」に出合い、その後、丸東・スリーハイが協力する形で4社の得意領域を生かし、3年をかけて完成しました。

ユーザー分析

「ウィルクック」をリリース後は、応援購入いただいた方々に、実際に使った感想や便利だった利用方法、改善点や要望などをインタビューしてきました。その中で「普段使いできる防災(フェーズフリー)グッズ」としてのニーズが高まっていることが分かりました。そのため、今回は容量を大幅にアップさせメインのポケットに物を入れられるようにしたほか、発熱部分を本体から取り外して、体を温める際などにも利用できるようにしました。

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