ファッション

トランジット初のアパレルは“ゴルフ” 元ナノユニバース創業メンバーの挑戦

PROFILE: 姉川輝天(あねかわ・てるたか)/パシフィック ゴルフ クラブ クリエイティブディレクター

姉川輝天(あねかわ・てるたか)/パシフィック ゴルフ クラブ クリエイティブディレクター
PROFILE: 1999年、「ナノ・ユニバース」創業と店舗立ち上げに携わり、その後もクリエイティブディレクターや、店舗開発、営業などに従事し、日本テレビ系「スッキリ!!」商品開発部などの企画にも出演。2017年から三陽商会の新規開発事業部で海外ブランドライセンス事業に携わり、20年からワールドパークで千葉市 稲毛海浜公園リニューアルに従事する。22年5月から現職。ゴルフ歴は5年ほどで、ベストスコアは83

トランジットジェネラルオフィスは、鎌倉・七里ヶ浜の「パシフィック ドライブ イン(PACIFIC DRIVE-IN)」や「ビルズ(BILLS)」をはじめとする飲食店の運営と、空間プロデュースを主軸にしている。同社が昨年5月、初のアパレル事業として、ゴルフウエアブランド「パシフィック ゴルフ クラブ(PACIFIC GOLF CLUB)」を立ち上げた。遊び心あるイラストとカジュアルなデザインで、ポロシャツが8000円〜1万5000円前後とゴルフウエアとしては手頃な価格帯を強みに、30代を中心に支持を集めている。

ブランドの舵を取るのは、姉川輝天クリエイティブディレクターだ。同氏は「ナノ・ユニバース(NANO UNIVERSE)」の創業とショップ立ち上げに携わり、ブランドの顔としてテレビ番組にも出演していた。ファッション業界で経験を積んだ姉川クリエイティブディレクターが、今ゴルフウエアブランドに挑む理由を聞く。

“同社のカフェがゴルフ場をプロデュースしたら?”

「パシフィック ゴルフ クラブ」は、トランジットジェネラルオフィスが鎌倉・七里ヶ浜に構えるドライブインカフェ「パシフィック ドライブ イン」から派生したブランドだ。同カフェが“もしゴルフ場をプロデュースしたら?”という架空のストーリーを描く。

ブランド発案者の中村貞裕トランジットジェネラルオフィス社長は、コロナを機に盛り上がっていたゴルフ市場に目をつけ、かねてから親交のあった姉川クリエイティブディレクターに声をかけたという。姉川クリエイティブディレクターは「(中村社長とは)一緒にゴルフをプレーする仲間でもあった。中村さんは『ゴルフウエアはもっと自由に考えていいんじゃない?』と考えていて、僕も同じだった。当時、世に出ていたゴルフウエアは、自分の着たいテイストと異なるものが多かったから。もっと自分たちが着たいと思える、カジュアルでデイリーユースなウエアを作ろうと、ブランド始動を引き受けた」。

日常的なデザインと機能の両立

「パシフィック ゴルフ クラブ」の商品は、春夏と秋冬の2シーズンで各30〜40型を企画する。人気アイテムは、「パシフィック ドライブ イン」のモチーフとなっている、コーヒーカップから流れるサーファーのイラストをプリントしたポロシャツ(8000円〜1万5000円前後)やTシャツ(6000〜8000円前後)だ。機能性も意識して、ポロシャツには速乾素材や伸縮性のある素材を使うほか、水陸両用素材のハーフパンツや、フィッシング、アウトドアでも活躍するマルチポケットのベストもある。さらに「普段からよく被るから」(姉川クリエイティブディレクター)という理由でキャップも多く企画し、ゴルフクラブのヘッドカバーや氷のう、マーカーなど、ラウンドを楽しむためのグッズも豊富だ。

ECを軸にしながら、「ゴルフ5(GOLF5)」をはじめとした大手ゴルフ量販店や、同社が持つカフェ店舗でのポップアップストアも行う。姉川クリエイティブディレクターは、「オンラインの時代ではあるが、商品を直接見てもらえれば購入率を高めることができる。そして何より、ブランドのファンやリピーターになってもらえるし、直接ご意見をいただける貴重な機会だ」と、自身も店頭に立つ。

バーガーショップと異色コラボ

業種の枠を超えた斬新な施策にも挑戦する。今年7〜9月には、東京・原宿のハンバーガーショップ「ジェニファー セブン(JENNIFER SEVEN)」とコラボしたクルーネックスエット(1万1000円)とトートバッグ(3850円)を発売。「パシフィック ゴルフ クラブ」のイラストをハンバーガー風にアレンジしたプリントが特徴で、すぐに完売した。さらに「ジェニファー セブン」の店舗では、同ブランドをイメージしたフードメニューも限定で販売し、新規ユーザーにブランド認知を広げた。

既存の枠に捉われない施策は、“もっとゴルフを楽しみたい”という純粋な思いから生まれる。「売り上げはもちろん、自分たちが遊び心を持って取り組めているかも大事。作り手のワクワクは、アイテムや施策にそのまま反映されるから」。

ゴルフの盛り上がりについては「(市場だけでなく)競技自体も進化している。ZOZOが主催するプロツアー“ZOZO CHAMPIONSHIP”など、若い人も関心を持つツアーも増えつつある。ウエアの規定を緩和するコースも増加し、クラシックに楽しむ人からカジュアルにプレーする人まで、ユーザーの幅も増えている。今は、ゴルフの裾野を広げる他にないチャンスだ」と姉川クリエイティブディレクターは言う。

ブランド立ち上げから一年を経て、直近の目標は「卸売の拡大」だ。「もっとゴルフを楽しみたいと思っているユーザーに僕らのアイテムとマインドを届けて、より充実したゴルフライフを実現するきっかけになればうれしい」。

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