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「日本は海外ラグジュアリーに頼りすぎ」 元三越伊勢丹社長・大西氏が問題提起

日本製の工芸品やファッション製品、雑貨などを集めたセレクトショップ「ジャパン マスタリー コレクション(JMC)」が12月22日、羽田空港第3ターミナルの出国エリアにオープンする。「日本発の地方創生型ラグジュアリーブランド」をうたい、国内各地からセレクトした数万円から数百万円の高級品を販売する。運営は羽田未来総合研究所。きょう15日、記者会見が行われた。

「日本の小売業はあまりにも海外のラグジュアリーに頼り過ぎじゃないか」。

記者会見に登壇した羽田未来総合研究所の大西洋社長は、日本の小売り・ファッション業界の現状への危機感をあらわにした。コロナ明けから訪日客が順調に回復する中、円安でお得感のあるラグジュアリーブランドがよく売れている。「日本の百貨店に限らず商業施設は一等地を海外ブランドに使っていただき、あえて『使っていただき』と言うが、利益率はわずか。かたや、営業利益率が25%を超えているような海外ラグジュアリーの企業もある」「私たちの(羽田)空港も出国エリアを見渡してみれば、海外ブランドの売り場ばかりだ。本当にそれでいいのか」。

大西社長は17年に三越伊勢丹ホールディングスの社長を退任するまで、「ミスター百貨店」と呼ばれ、日本の百貨店業界の顔として活躍してきた。古巣の三越伊勢丹をはじめ、大都市の百貨店はラグジュアリーブランドがけん引し、過去最高レベルの好業績に沸く。だが、どこも海外ブランド頼みで本当に良いのかというのが大西社長の問題意識だ。

「JMC」の目的は、優れた技術やクリエーションを持ちながらも資金難や後継者不足に陥る地場産業に海外マーケット拡大のチャンスを提供することにある。「地方では優れた技術を持ちながら、埋もれている生産者が多くある。ここから世界で戦えるブランドを育てなければ、地方創生、ひいては国力にもつながっていかない」と大西社長。「ヨーロッパのブランドの価値は歴史的に長い時間をかけて歴史と共に培われたもの。何年かかるかは分からないが、世界に認められるような『メード・イン・ジャパン』のラグジュアリーブランドを作っていかなければならない」。

「JMC」羽田空港店の展開面積は188平方メートル。ファッションや雑貨の“トラベル”、陶器や器などを集めた“上質な日常”、アート作品などの“趣味”、日本の著名デザイナーやクリエイターとのコラボ商品などを展開する“ジャパンラグジュアリー”、プロモーションエリアの計5つのゾーンで構成。客単価は7万円前後を想定する。日本の約30エリアからセレクトした約400点取り扱い商品のうち、6割程度を占めるのがアパレル、雑貨などのファッション関連だ。目玉の“ジャパンラグジュアリー”のゾーンでは、「カンサイ ヤマモト」が姫路でなめしたレザーに金沢の職人が金箔を手作業でデザインした「オニツカタイガー」の別注スニーカー(想定価格12万〜13万円)を販売。岡山デニムを使用したオリジナルブランド「ムニ(MUNI)」の商品も並べる。

羽田空港店を旗艦店と位置付けた上で、欧米の百貨店やセレクトショップに取り扱い商品を卸販売する。一定の成果を得た段階で、国内拠点の拡大を進める。「まずは海外の評判で箔を付けた後に“逆輸入”する」と大西社長。24年春以降にはECを立ち上げ、越境販売もスタートする。

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