ファッション

「ルイ・ヴィトン」2015年春夏パリメンズ 空を「見上げ」、大人を「見上げた」青年のフォーマル

 「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」の2015年春夏メンズ・コレクションは、「見上げる」がキーワードだ。半年前は、NASAが撮影した地球の写真などにインスパイアされ、つまるところ「見下ろす」風景に感銘を受けたキム・ジョーンズ。今度は反対に、地球から宇宙を「見上げる」人たち、インドの天文学者に影響を受け、コレクションを生み出した。

 「見上げる」は、イメージした男性像の日常の行動であり、「ルイ・ヴィトン」が今回のコレクションで構築を試みた世界観やスタイル、男性の生き方でもあるような気がする。スタイル・ディレクターのキム・ジョーンズは毎シーズン、実際に特定の地域を訪れ、そこで見たモノや感じたコトをキャッチーな色とモチーフを駆使しながら、時にストリートライクに若々しくまとめてきたが、今シーズンは青年特有の“青臭い”雰囲気が薄れ、大人の階段を一歩上った印象。トレンドに呼応するかのように、“カワイイ”モチーフは影をひそめ、サマーモヘアで作ったダブルのジャケットに70年代調のハイウエストパンツ、ラグランではなくセットインタイプの袖を持つトレンチコートなど、大人っぽい。青年が、ワンランク上のスタイルを「見上げ」、憧れ、思い切ってフォーマルの世界に足を踏み入れたような雰囲気だ。

 インドのムードは、キムが街で目にしたピンクの色使いと、インドからパキスタン、中国にかけて続くカラコルム山脈の山々の稜線を思わせるジグザグのシェブロンパターンなどに現れ、大人フォーマルとミリタリーをベースとしたコレクションに躍動感をプラスする。モノグラムのバッグにも、ブランドにとってアイコニックなアルファベットであり、山の稜線を思わせる「V」の文字を大胆に加えた。トレンチコートやフライトジャケットは、レザー製。布帛のトレンチにヌバックのベルトを組み合わせるなど、レザーの匠としてのアイデンティティもキチンと表現している。

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

原宿・新時代 ファッション&カルチャーをつなぐ人たち【WWDJAPAN BEAUTY付録:中価格帯コスメ攻略法】

「WWDJAPAN」4月22日号の特集は「原宿・新時代」です。ファッションの街・原宿が転換期を迎えています。訪日客が急回復し、裏通りまで人であふれるようになりました。新しい店舗も次々にオープンし、4月17日には神宮前交差点に大型商業施設「ハラカド」が開業しました。目まぐるしく更新され、世界への発信力を高める原宿。この街の担い手たちは、時代の変化をどう読み取り、何をしようとしているのか。この特集では…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。

メルマガ会員の登録が完了しました。