ファッション
連載 マリエが本音で語る「私の33年目のサステナブル」

どうする?!「ミドルゾーン」 マリエの「私の34年目のサステナブル」Vol.58

 「サステナブル」という言葉がハイブランドからファストファッションまで浸透しつつある現在、中間の「ミドルゾーン」と呼ばれるブランドは、サステナブル思考に転換できているのだろうか?最近出合う「ミドルゾーン」のブランドは、大きく分けて3つの状況にある気がしている。

 「サステナブルって何?」「お金にならないから、やらない」「商材でのアプローチは難しいから、社内のジェンダー平等や福利厚生に取り組んでいる」だ。

 「サステナブルって何?」という状況は、身の回りがサステナブルなことばかりの私には驚きだが、いずれも当たり前のように感じている。昔は、私もそうだった。ただ、いつまでも進化を遂げないブランドや企業が廃れてしまうのは、どの世界も一緒だろう。昔ながらの技術を大切に伝統工芸品を作るアルチザンも日々進化し、昨日より明日を目指し腕を磨いているのだから。

 「ミドルゾーン」のブランドは、ストリートからアウトドア、キャリア、キッズまでさまざまだ。仮にお客さまが「高い」「安い」で商品を買うのだとしたら、「ミドルゾーン」のブランドがハイブランドやファストファッションに勝つのは難しい。そこで大切になるのは、アイデンティティに基づくブランディングだ。「WWDJAPAN」にもよく登場する「パーパスのあるブランド」という言葉は、私自身すごく納得している。そしてブランドのアイデンティティやパーパスは、サステナブルになり得るのだろうか?と考える。

 「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」はパーパスの打ち出しでも成功し、日本でも「ダブレット(DOUBLET)」などは環境に配慮した素材を当たり前にしたい意向があるという。そう考えると、「ミドルゾーン」でもサステナブルがパーパスやアイデンティティになり得ると信じている。

 最近は、食や雑貨でもサステナブルなアプローチが増えた。大きく遅れをとっているような気がしてならない衣料界の、特に「ミドルゾーン」が、今後もっとサステナブルなパーパスを見出してくれることは、各ブランドにとって新しい顧客を取り込む術になるだろう。サステナブルは儲かる!今までとは真逆の時代が来るのは、すぐそこだ。

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