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松屋「美術催事」の販売額2.5倍 売れ筋アートは200万〜300万円

 松屋銀座本店は、外商事業の強化の一環として美術催事「オータム・アートフェスタ」を11月10日から16日まで開き、販売額が前回の2.5倍の1億円超に達した。百貨店がもともと得意とする東山魁夷や片岡球子ら巨匠の作品だけでなく、現代アートの作品を豊富にそろえることで、若い富裕層も呼び込んだ。200万〜300万円の絵画作品が人気を集めた。

 コロナ下のステイホームで美術品への関心が高まっている。松屋銀座は10数年前に常設の画廊を閉鎖していたが、外商客のニーズの高まりを受けて2020年秋に美術催事を始めた。昨年秋、今年春と開催を重ねるごとに規模は拡大。今回の開催は今年春開催に比べて作品数や展示スペースも1.4倍に増やして臨んでいた。

 誰でも入場できる美術催事として開催したものの、購入者の9割は招待した外商顧客だった。中心は50代。現代アートでは30代の経営者など比較的若い世代の購入も目立った。

 同社は美術部門で長いキャリアを持つ藤原浩二氏を今年4月に外商事業部に異動させ、外商顧客の細かい要望に応える美術品販売の態勢を整えた。藤原氏は「お客さまを待つのではなく、われわれの方から積極的にアートのある生活を提案していく」と話す。

 催事では全体の半分を村上隆、KAWS、KYNE、榊貴美ら現代アート作家の作品で構成した。最も反響を集めたのは、話題の米国人アーティスト、ミスター・ブレインウォッシュの作品群で1000万円を超える絵画にも成約が入った。現代アートは作品としての人気だけでなく、長期的な値上がりが期待できる投資としても富裕層の注目を集める。

 同社の外商事業は店舗で扱っていない商材やサービスの拡充に力を入れている。今年春の人事でメンズファッションの有名バイヤーだった宮崎俊一氏を外商事業部に異動させた。美術においてもスペシャリストである藤原氏を外商事業部に移し、その知見とネットワークを顔の見える外商顧客のために生かす。外商事業部の宇田川厚・販売チャネル企画課長は「松屋銀座は売り場面積3万3000平方メートルと百貨店してはコンパクトなため、品ぞろえには限界がある。だが、社内のエース人材の知見を活用すれば、目の肥えたお客さまの期待を上回る提案ができる」と話す。

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