ファッション

伊勢丹「リ・スタイル」が25周年 “Re”をテーマに黒染めやオーダーシューズなどのイベントを実施

 伊勢丹新宿本店は、3階の自主編集売り場「リ・スタイル」の25周年を記念し、“Re”をテーマにしたポップアップイベントを開催中だ。イベントには「リ・スタイル」が掲げる“FOR LOVE” “FOR FUTURE” “FOR MY WAY”の3つの柱のもと、さまざまなコンテンツをそろえる。

 中でも注目は、京都で黒紋付を100年以上にわたり染め続けてきた京都紋付による黒染め企画「クロゾメ リメイク(KUROZOME REMAKE)」だ。3月に顧客の手持ち服を黒染めするサービスを始めたところ、予想を上回る400件以上の申し込みがあったという。今回は、「リ・スタイル」が取り扱うブランドの中から、企画に賛同した「オーラリー(AURALEE)」「アカネウツノミヤ(AKANEUTSUNOMIYA)」「クセニア シュナイダー(KSENIA SCHNAIDER)」「ルール ロジェット(LEUR LOGETTE)」「メゾンエウレカ(MAISON EUREKA)」「マーレット(MERLETTE)」「フォトコピュー(PHOTOCOPIEU)」「リト(RITO)」の8ブランドの過去シーズンの在庫やサンプルなどを買い取り、“深黒(シンクロ)加工”と呼ばれる黒染め技術を施して、元上代の20〜30%引きで販売中だ。

 神谷将太「リ・スタイル」バイヤーは、「これまでデザイナーが作ったものを染めたり、手を加えたりするのはアンタッチャブルで、提案すること自体に気まずさがあった。でも時代や社会が目まぐるしく変化する中、ダメ元で聞いてみたところ、意外にもみなさん快諾してくれた。アパレルの場合、シーズンが終わると商品価値が低くみなされる。その先入観に抗いたかった。もう一度手を加えて価格をつけ直して世の中に出すことで、新たな価値を見出すことにチャレンジしたかった」と語る。黒染めは天然素材だけが染まり、また素材によって黒の入り方も異なるため、「ブランド側と仕上がりを想像して、相談しながら進めた」。今後の継続も検討中だという。

 「ルリエ エイトワン(RELIER81)」とは、“Re”Makeをテーマに、古い着物や帯をシューズにアップサイクルする取り組みを実施。店内にある約40種類の着物と帯、または顧客自身の着物から作るオーダー制で、9つの靴型から選ぶことができる。納期は1カ月〜1カ月半で、価格は1万9800円〜。

 また今回で3回目となるドレス企画 #this dress は、PEACEFUL、POWERFUL、JOYFUL、SAD、MAD、FEARFULの6つの感情をテーマに、100着のドレスを販売する。「明るい日もあれば、悲しい日もある。人々が持つさまざまな感情に寄り添ったドレスを集めた。楽しい気分の日に着たいドレス、少し落ち込んだ気分の日に着たいドレスなど、どんな感情にも見合う一着が見つかるはず」と、奥田詩保子「リ・スタイル」アシスタントバイヤー。ビンテージドレスは過去最大となる約半数を占め、中にはウエディングドレス(5万円台〜)も並ぶ。

 現代美術家の谷敷謙による初のパーソナルアートオーダーも実施。写真を元に人や動物を立体アートとして再現し、古着を持ち込むと、日本の伝統技術“木目込み”によるアート作品として生まれ変わる。期間は1カ月〜1カ月半で、価格は1体6万6000円〜。さらに15日からは、“POP GOES ART”のちょっかんと“私物”の松林大貴によるプリントユニットSQUEEGEEによるシルクスクリーンワークショップを、16日からは、アーティストtinaが名前と声からその人の色を感じ取って似顔絵を描くライブドローイング「名前の似顔絵」などのイベントを予定している。

 神谷バイヤーは、「今回は『リ・スタイル』の“Re”の部分をコンセプトにした。私たちは自主編集としては一番古いが、お客さまからの支持はもちろん、デザイナーやクリエイター、従業員、歴代のバイヤーたちの思いをつなげ、革新とともに変化してきた。その意志と行動によってここまで続いてこられたと思う」と話す。特設サイトでは、“Re”member messageとして、「リ・スタイル」と縁のある皆川明「ミナ ペルホネン(MINA PERHONEN)」デザイナーや、吉原秀明「ハイク(HYKE)」デザイナー、歴代バイヤーなどによる25周年のお祝いメッセージも公開中だ。

■ReStyle 25th Anniversary “Re”- Beautiful Choice. -
日程:〜10月19日
時間:10:00〜20:00
場所:伊勢丹新宿本店 3階「リ・スタイル」
住所:東京都新宿区新宿3丁目14-1

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