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しまむら3〜8月期、過去最高業績を達成 商品政策やウェブ販促に手応え 

 しまむらが引き続き好調だ。2021年3〜8月期(22年2月期上期)連結業績は、売上高、営業利益、純利益それぞれで上期として過去最高を記録した。地方ロードサイドの独立店舗が中心の同社にとって、コロナ禍による都心への外出抑制は大きな追い風。実際、売上高の75%以上を占める「ファッションセンターしまむら(以下、しまむら)」業態の客数は、3〜8月で前年同期比10.6%増、コロナ禍前の19年同期に対しても伸ばしている。ただし、コロナの神風ばかりが好調の要因ではない。①商品、②販促、③ECの3軸それぞれで、この間実践してきた施策が実を結んでいる。

 ①の商品では、「しまむら」で進めてきたPB(自社開発ブランド)、JB(Joint Development Brand=サプライヤーとの共同開発ブランド)の強化策が奏功している。JBは、アウトドアショップ「ロゴス(LOGOS)」と共同開発し、6月に立ち上げた「ロゴスデイズ(LOGOS DAYS)」などが代表例。また、インフルエンサーを起用した共同企画にも注力している。「しまむら」での好調を受け、「アベイル」「バースデイ」など他業態でもPB、JB強化策の水平展開を進めている。

 PB、JB強化に伴い、期初に大量に作り込んで売れ残ったら値引きするというこれまでの手法に代えて、旬の商品を短期間で生産し売り切っていくQR(クイックレスポンス)の比率が高まっている。「全体に占めるQRの比率は、3〜8月で28%にまで高まった。これにより、上期は在庫のコントロールも非常にうまくいった」と、9月27日に行われたリモート決算会見で鈴木誠社長は手応えを語った。

 ②の販促では、テレビCMをやめて動画サイトなどウェブへの広告出稿に切り替えると共に、「しまむら」の公式インスタグラムアカウント(@shimastyle.jp)を4月に立ち上げ。これらの成果により、広告宣伝費は19年3〜8月に比べて35.6%削減でき、これが値引きの抑制などと共に利益面に大きく貢献した。

 ③のECでは、「しまむら」で20年10月に自社ECを本格スタートした。配送料のかからない店舗受け取りを選択する客が利用客の90%を占め、店舗受け取りの際についで買いする客はそのうちの50%と狙い通り。会員登録者は3〜8月で60万人を超え、22年2月末には100万人突破を見込む。「EC開始から1年がたち、知見が大分蓄積されてきた」と鈴木社長は語り、EC限定商品や限定カラーなどを「EC取り扱い商品全体の65%にする」というのが、現時点で編み出している勝ちパターンだ。「ECは店頭よりもさらに回転率を高め、20日前後で商品が入れ替わるようにしている。売れ残りが出た際は実店舗を持つ強みを生かし、速やかに店頭に流す」。

 ただし、22年2月期で目標としていた年間EC売上高は、50億円から35億円に修正した。昨年の「しまむら」EC立ち上げに続き、この9月には子ども服の「バースデイ」でもECを開始したが、当初は2月末までにこの2業態以外でもECを立ち上げる予定だった。しかし、ひとまずはこの2業態に注力。「ECセンターの稼働が追いつかず、3〜8月のEC売上高は10億円となり予算には届かなかった。ただし、9月以降はフル稼働できている」という。また、以前は外部EC倉庫も活用して「バースデイ」のEC売り上げを拡大していく構想を描いていたが、「内製化して社内にノウハウを貯めるべきという意見が強まったため、(スピードは落ちるが)今はしっかり基礎を固めている」。EC事業は23年2月期で黒字化を見込んでいる。

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