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連載 マリエが本音で語る「私の33年目のサステナブル」

マリエが本音で語る「私の33年目のサステナブル」 Vol.5 私が“サステナブルになった”理由【後編】

2週にわたりお届けしてきた、「パスカル マリエ デマレ(PASCAL MARIE DESMARAIS=以下、PMD)」がなぜ“サステナブルなブランド”に行き着いたのか。3回目は、3つ目の理由「もともと過剰包装が大嫌い」について。

私は、幼いころから過剰包装が嫌いだった。コンビニやスーパーで売っている板ガムもおせんべいも、食べ終えて残るのはゴミばかり。学校では「ゴミはなるべく出さないように」と教えられたのに、どうしてこんなに無駄なラッピングがたくさんあるんだろう?と疑問に思い、よく母にぼやいていたのを覚えている。

自分のブランドを持って商品を届けるとき、余計な包装を省くとコストダウンできることに気づけたのは、資金がなかったからだ。「購入後すぐ捨てられてしまうものに経費を割いている場合ではない!」というのが、そもそものきっかけ。サステナブルなブランドになりたかったからじゃない。

2018年に日本最大級の合同展示会イベント「ルームス(rooms)」に「PMD」で出展したとき、主催者の「アッシュ・ぺー・フランス(H.P. FRANCE)」に「あなたのやっていることは、サステナブルっていうのよ」と言われて初めて、「ほぅ。このジャンルには、そういう呼び名があるのね!」と知ったくらいだ。

アイテムを届ける際の梱包も、頭を悩ませている課題の一つだ。環境に配慮し、素材も生産工程も愛でいっぱいだが、「PMD」の主な販路はEC。だから発送するときはプラスチックで梱包しなければならない現実……。

使用済みの服や売れ残った服を廃棄することには注目が集まっても、発送時の梱包が注目されることは少ない。自分のアイテムが、どう梱包されて運ばれているのか、知っているデザイナーはどれほどいるだろうか?

だが、過剰包装問題はコロナ禍で注目が高まった。これを機に、ラッピングや届け方を見直すブランドが増えるかもしれない。無駄を省くことに挑戦しがいのある時代になったと感じている。

サステナブルであることがランニングコストの削減につながり、“地球にも優しい”なんて面白いなと思い日々デザインしているが、持続可能な社会を築くには、問題を一つクリアしたら、またその先にある“アンサステナブル”な壁にぶつかる。レジ袋の有料化に伴い、一気に溢れたエコバッグの今後も考えなければいけない課題だ。

「どうしてサステナブルな思考になったのか」という質問の答えをまとめると、「Because it felt right to me.(それが私にとってナチュラルだったから)」。

今、私が「PMD」というブランドで表現しようとしているファッションは、ジャンルでいうと“サステナブル”という名前をもらった。今後も、モノ作りを含むさまざまな面で、自分にできることに一つずつ挑戦したい。そして、過剰包装の現実についても、気づきの一つとして今後本連載で紹介していく予定だ。

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