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もうファンデはベージュでなくていい? マスクで激変のベースメイク事情と注目の新作

 昨年の今頃、1年以上もマスク着用の習慣が続くとは、いったい誰が想像できただろうか?コロナ禍で最も変化した美容習慣は間違いなく、マスク着用の影響による「ベースメイク」であると思う。そして現在進行形で、女性の関心事でもあるはずだ。

 確かにこの1年、電車や街中で見かける女性で「ファンデーションをきっちり塗っている人」は減少したように思える。その一方で(特に大人の女性で)、「完全にスッピン」と思われる人も、あまり見かけなかった。近所の外出時は別として、出勤もしくは、不特定多数の人とすれ違う場所に出かける場合、日本女性にとって「ファンデーションをつけること」は、それだけ重要な習慣なのだと思う。それゆえに、多くの女性がファンデーションの機能や仕上がりに対して、今も一定の試行錯誤をしているのではないかと想像している。

美しい仕上がりより「崩れない」「肌に負担をかけない」こと

 マスクでほとんど顔が隠れている以上、「他者の目から見た美しい仕上がり」は、以前ほど重視されなくなった。代わりに必要とされるのが「湿気でヨレない」「こすれに強い」機能である。フィット感は以前からあるニーズだけれど、ファンデがマスクにつくことを通して「見える化」された面が大きい。

 もう1つ、マスク着用で浮上した機能が「肌に負担をかけない、ストレスフリーの使い心地」だ。マスク内の高温・高湿度環境によって、肌が敏感に傾く女性が増えたこと。さらに昨年のコラムでも記した通り、女性は肌の上にファンデーション、その上をマスクで覆うという「二重の密閉状態」にある。感覚的な話しで恐縮だが「素肌が楽に呼吸できるような」ベースメイクを求める気持ちは、とても共感できる。

多くの女性が「メイク習慣を変えた」ことのポジティブな側面

 マスク着用によって、多くの女性が「強制的にベースメイクを見直さざるを得なかった」こと。これは長期的に考えると、ポジティブな側面もあるように思う。この期間にファンデーションではなく下地を試してみた人、また顔全体に塗らず部分的にカバーするなど、塗り方の工夫をした人もいるだろう。

 その結果「ファンデーションでなくても、肌は均一に見える」「肌全部をカバーしなくてもいい」という気づきがあったのではないか。実は前述のような下地の使用や塗り方は、プロのメイクアップアーティストが実践する「自然な肌作り」のテクニックでもある。コロナ禍の強制的な経験により、まずはファンデーションの常識から解放されること。そして自然な肌作りの方法を体験することは「いつかマスクを外す日」にきっと役立つはずだ。

 そして、2021年春はまさに「これまでのファンデーションの概念」を越えるような、ベースアイテムが続々登場する。マスク着用が続きそうな今、次世代のベースメイクのキーワードとともに、注目の新作アイテムをご紹介したい。

ファンデーションは「ベージュでなくていい」という新発想

 これまで日本女性の間には、ファンデーション=「ベージュ」という概念が存在していたはず。ファンデ選びの重要なテーマは「いかに自分の肌色に合ったベージュを見つけるか」でもあった。一方マスク着用を通して俄然注目度が高まったのが「ピンク」や「パープル」のトーンアップ下地である。これらの下地は、女性たちに「ベージュでなくても、肌の均一感や明るさを際立てる」「1品でも案外美しく仕上がる」という美肌体験をもたらした。

 このようなトーンアップ下地は、今後も引き続き注目されると思う。個人的に最も印象的だったのは、「スリー(THREE)」の“アドバンスドエシリアルスムースオペレーター プライマー”だ。木材を原料とした、軽量かつ弾力性に優れた「スムースファイバー」を配合し、実に不思議な感触を実現している。プライマーのほうから肌に吸いついてくるようなフィット感を叶え、密着後は肌の上でネット構造を形成し、保湿効果も期待できる。肌のノイズを解消しながら、ほんのり血色感を添え、素肌美が際立つ仕上がりが手に入る。

 ファンデーションの分野で斬新なコンセプトを打ち出したのが、「RMK」の“カラーファンデーション”である。「ファンデーションは、ベージュだけじゃない」という、KAORIメイクアップアーティストの発想から生まれ、ベージュは一色も存在しない。パープルやグリーン等の明るいパステルカラーは、肌色をコントロールする顔料を中心に構成され、透明感に優れているのが特徴だ。薄膜で素肌の質感を生かしながら、足りない色を補って明るいトーンへと導いてくれる。双方ともにストレスフリーの使い心地とマスクへのつきにくさ、そしてリモートワークでも活躍する自然な仕上がりを叶えるアイテムといえる。

高機能UVケアで「見えないダメージ」から肌を守り抜く!

 外出の機会が減り「UVケア」の使用頻度が減ったことは、「意外な落とし穴」ではないかと考えている。一般的な不織布のマスクは一定量の紫外線を透過すること。リモートワークの際に日差しの入る場所で過ごしていると、気づかぬうちに紫外線ダメージを蓄積する可能性があるからだ。この状況が長期化するほど、やがてシミやくすみを自覚する女性が増えるのではないだろうか。そこで注目したいのが、1品で何役もこなす「多機能 UVケア」である。

 花王が展開する「ビオレ(BIORE)」の“ビオレUV バリア・ミー ミネラルジェントルミルク”は、自然界に存在する植物や、食品業界の技術からヒントを得て、肌に微粒子を付着しにくくする新技術を搭載。ナノサイズの紫外線散乱剤を用いて、肌表面にキメより微細な凹凸を作りだし、ホコリやPM2.5、花粉などの付着を防ぐ働きがある。新型コロナウイルスの流行で高まった「目に見えないダメージ要因から肌を守りたい」というニーズに応える製品といえる。肌をトーンアップする働きで、下地としても活躍するはず。

 カネボウ化粧品のベストセラー「アリィー(ALLIE)」から登場する“カラーチューニングUV”は、「ノーファンデ UV」というコピーの通り、日焼け止め1品で肌を作り込めるアイテムだ。PUはくすみを飛ばし毛穴をぼかす光の効果で、まるでもともと肌の透明感が優れていたかのような仕上がりが手に入る。「アリィー」が誇る国内最高基準の紫外線防止効果、そしてマスクのこすれに強いフリクションプルーフ効果、マスク内の湿気に強いスーパーウォータープルーフ効果も頼もしい。

 日焼け止め単体のニーズは減ったとしても「1品でメイクが終わる」「崩れにくい」「見えないダメージから肌を守る」となれば話しは変わってくる。加えて多機能UVケアは、手頃な価格帯&ドラッグストアで手に入る製品が充実しており、今後ベースメイクの定番アイテムとして浸透するのではないかと思う。

パウダーに注目。メイクに加え「スキンケア効果の持続」も?

 マスク着用が続くにあたり、注目したいのが「仕上げにパウダーを使うこと」だ。本来パウダーはファンデの定着を高め、きめ細かな質感に整えるアイテムだが、プラスアルファの効果が期待できるからである。

 効果の1つは、メイクとスキンケアの中間的な存在である「スキンケアパウダー」の働き。「SHISEIDO」の“資生堂 ホワイトルーセント ブライトニング スキンケアパウダー N”は、美白有効成分m-トラネキサム酸を配合した、医薬部外品だ。サラリと軽やかな感触で、スキンケアの最後になじませると、素肌そのものをケアする働きが期待できる。もちろんメイクアップの仕上げに使うことも可能で、肌の均一感を高める働きも。リモートワーク時に、薄化粧効果によって活躍してくれそうだ。

 もう1つ注目したいのが「パウダーによるスキンケア効果の持続」である。資生堂の研究によると、マスク着用時、ベースメイクの仕上げにパウダーを使うと、ファンデの下に塗布したスキンケアの持続効果が認められるという。前述のホワイトルーセントのようなスキンケアパウダーだけでなく、一般的なパウダーでも同じ効果が期待できる。個人的におすすめなのは、「ジバンシイ(GIVENCHY)」の“プリズム・リーブル”だ。シルキーな感触でキメを整え、白色光を構成する色を再現した絶妙な4色が、明るさと透明感を演出。1989年に初代が登場して以来、32年愛され続ける名品であり、こちらも薄化粧ニーズに応えてくれる。

 改めて(美容に限らず)何ごとにおいても、長年の価値観や習慣を変えるのは本当に難しい。そういう意味で、マスク着用習慣はある種ベースメイクの常識を変える、思わぬきっかけになるのではと思う。今後ますます、女性たちの間にナチュラルなベースメイクのテクニックが浸透したり、今回ご紹介したような既存の枠を越えるベースアイテムが登場することを、心から願いたい。それは「いつか、マスクを外す日」に、きっと役立ってくれるはずだから。

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