ファッション

50〜60年代ファッションがキュート ネトフリで人気の「クイーンズ・ギャンビット」

 アニャ・テイラー・ジョイ(Anya Taylor-Joy)演じる孤児の少女、ベス・ハーモン(Beth Harmon)が、50〜60年代を舞台に男性優位のチェス界で世界一のプレーヤーを目指すネットフリックス(NETFLIX)の人気ドラマ「クイーンズ・ギャンビット(The Queen’s Gambit)」の配信が10月にスタートした。当時、イギリスの若い労働者の間で流行したモッズスタイルへのオマージュを込めた衣装の数々も見ものだ。

 衣装デザイナーのガブリエル・バインダー(Gabriele Binder)は、当時を思い起こさせるような色使いを一番に重視したといい、同作品では冒頭で子ども時代の主人公が孤児院にやって来るシーンや、後にチェスの試合で着用する襟付きドレスなど、ライトグリーンを基調とした衣装が多く登場する。

 また同作品には、主人公がパリで60年代にピエール・カルダン(Pierre Cardin)が流行らせた黒とベージュのドレスに着想を得た服を買ったり、モスクワで開催された決勝トーナメントでは以前に比べて華やかかつ洗練された格子柄のコートを着用するなど、国際的な評価を得ながら自信を付けていく様子をファッションの変化で表現するといった工夫も凝らしてある。

 なおブルックリン美術館(Brooklyn Museum)では、現在「ザ・クイーン・アンド・ザ・クラウン(The Queen and the Cown)」と題したバーチャル展覧会で同作品の衣装を展示している。オスカー受賞経験を持つ衣装デザイナーのルース・E・カーター(Ruth E. Carter)が司会を務める同展覧会のパネルディスカッションに登場したバインダーは、「かなり最初の段階で、ライトグリーンがハーモンの色だと感じていた。何がハーモンに強さや弱さを与えるのか、この色が彼女にパワーを与える要素は何なのかを見つけようとした。ライトグリーンはハーモンのホームカラーだ。チェスの試合で襟付きドレスを選んだ理由は、この色がハーモンに強さを与える様子を表現したかったからだ。試合のために世界各地を旅するようになると、彼女のスタイルはニューヨーク、パリ、モスクワなど各都市から影響を受け始める。アニャはとても品があって素直だから、すごくやりやすかった。ドレスはシンプルでストレートなものを選んだ。おしゃれではあるが、ドレスそのものが際立つほどファッショナブルなものではなかったから、どの衣装もアニャが着用したことでその魅力が引き立っていた」とコメントした。

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