ファッション

スター不在、激動の中のNYコレの見所は? エディターズレター(2020年9月11日配信分)

※この記事は2020年9月11日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

スター不在、激動の中のNYコレの見所は?

 いよいよ始まりますね、2021年春夏コレクション・サーキット。

 ニューヨークは現地時間13日17時の「ジェイソン ウー」に始まって、16日19時の「トム フォード」で終了の3.5日間に短縮。デジタルプラットフォーム「ランウエイ360」を使ってオンライン配信します。

 今シーズンは「マーク ジェイコブス」も「マイケル・コース コレクション」も「ラルフ ローレン コレクション」も「プロエンザ スクーラー」も不参加。正直、だいぶ華やかさに欠けます。果たしてどれだけの視聴を集め、ビジネスチャンスを生むことができるのか。オンライン開催によって世界同時発表になることで、「ニューヨーク」であることの意義についても考える機会になりそうです。見る側にとっては都市名はもう記号程度にしかならないかもしれないですね。

 ただ、スターの不在は新しい芽に注目が集まる好機でもあります。特にアメリカはコロナ禍、BLM運動、大統領選挙と、まさに激動のタイミング。コレクションが社会的なメッセージで溢れることは間違いないでしょう。

 クリスチャン・シリアノや「パイヤー モス」のカービー・ジーン・レイモンドらは早い段階で新型コロナ感染拡大防止のために最前線で働く人のための防護服を製作しましたし、サステナブルなアクセサリーブランドを手掛けるオーロラ・ジェームズはショップの棚の15%を黒人経営者による商品にすることで、彼らのビジネスを支援しようと活動しています。多様性を問われたアメリカファッション協議会は初めて有色人種の女性をプレジデントに迎えましたし、直近では多くのデザイナーが民主党のジョー・バイデン氏を支持してグッズを作っています。

 さて、激動の時代がコレクション自体やその見せ方にどう反映されるのか。米「WWD」の本拠地ニューヨークからのニュースにも期待。新しい芽を探したいです。

VIEWS ON WWD U.S.:米「WWD」の翻訳記事から、注目すべきニュースの紹介や記事の面白さを解説するメールマガジン。「WWDジャパン」のライセンス元である米「WWD」は1910年から続くファッション業界専門紙。世界中のデザイナーや企業のトップと強く繋がっており、彼らの動向や考え、市場の動きをいち早く、詳しく業界で働く人々に届けています。

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