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アイスタイル20年6月期は50億円の赤字 創業以来初の減収で“選択と集中”急ぐ

 アイスタイルの2020年6月期連結決算は、最終損益が50億円の赤字(前期は5億円の赤字)と赤字幅が拡大した。売上高は前期比5.1%減の305億円、営業損益は23億円の赤字(前期は4億7000万円の黒字)、経常損益が24億円の赤字(前期は3億8000万円の黒字)で、創業以来初の減収となった。改善を急いでいた海外事業が新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けてさらに悪化したほか、店舗休業により売り上げ計画が狂った。今後は海外事業の縮小や店舗の見直し、17年3月に子会社化したマレーシアの化粧品ECサイト「ヘルモ(HERMO)」の売却などを進める一方で、ブランド向けのマーケティングサービスや店舗とECの融合など同社が強みとしている事業に資源を集中させ立て直しを図る。

 部門別では、オンプラットフォーム事業の売上高が同1.1%増の77億円、営業利益が同47.0%減の11億円。ブランド向けのマーケティングサービス「ブランドオフィシャル」が伸長したものの、メーカー側の宣伝広告費見直しの影響を受け、「アットコスメ(@COSME)」の広告・PR収入が落ち込んだ。グローバル事業は中国ECの競争が激化していることに加え、香港のデモや新型コロナの影響もあり、売上高が同32.5%減の61億円、営業損失が7億8000万円(前期は2700万円の赤字)だった。
 
 国内小売りのビューティサービス事業は、店舗休業の影響を受ける一方で、通常はECの取り扱いがないブランドが「アットコスメ ショッピング(@COSME SHOPPING)」で一時的に販売したことなどで、ECの売り上げが伸びた。また、休業期間中の店舗家賃等を特別損失に振り替えたこともあり売上高が同7.2%増の153億円、営業損失が6億8000万円(前期は5億5000万円の黒字)で着地した。

 21年6月期は、上期までは新型コロナの影響などで赤字を見込むものの、事業の選択と集中を急ぎ売上高が同21.7%増の372億円、営業利益は5000万円の黒字化を見込む。

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