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日鉄物産・繊維、19年度は増益確保も「今年のコロナ影響は全くの未知数」 

 日鉄物産・繊維部門の2020年3月期は、売上高が前期比13.8%減の1300億円、経常利益が同5.9%増の46億円だった。約208億円の減収の内、中堅ユニフォームアパレルの瀧本の連結からの切り離しが100億円、衣料品市況の低迷に伴う影響が100億円。シタテルやメイキップなどのファッションテック企業への出資を通して、主力のアパレルOEM(相手先ブランド生産)事業の構造改革を進めており、19年4月〜12月の経常利益は前年同期比57%増と好調に推移していたが、1〜3月の暖冬に伴う衣料品不況が全体を押し下げた。

 日鉄物産の繊維部門はウイメンズの中高級ゾーンに強く、同分野では繊維商社のトップ企業の一つ。緊急事態宣言による臨時休業が長期化する中で、アパレル市場は以前からの衣料品市況の低迷で”コロナ倒産”のリスクも高まっている。繊維部門を管掌する吉本一心(かずみ)常務執行役員は「当社の場合コロナの影響が顕在化するのは今年度から。受注したアイテムの納入を後ろ倒しにしたり、受注数量の変更なども出ているが(その影響が)どうなるのかは現時点では全くの未知数だ」と語り、21年3月期の見通しは未公表。

 ただ、アパレル生産については「一部では国内回帰という言葉も出ているが、国内の生産力には限りがある。今後も中国とASEANが主力になり続ける」と国内回帰については否定した。同社は現在、OEMのうち、約6割を中国で、残りをASEANなどで生産しており、日本生産の割合は1割程度にすぎない。

 ただ、「日本のアパレルは、あらゆる面でコロナ収束後も元には戻らない。デジタル、グローバル、サステナビリティの3つをキーワードに、今後の事業戦略を考えている」とコメントした。同社はファッションテックへの出資に加え、自社内に最新鋭の3Dデザインシステムや生産管理システムを導入し、アパレル生産のデジタル化を進めている。

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