2009年の設立から都会的な空気感と抜けのある雰囲気で人気を博す、大北幸平が手掛ける実力派ブランド「ヴァイナル アーカイブ(VAINL ARCHIVE)」。ここ数年はさまざまなブランドと積極的に協業し、さらにその存在感を増しているが、18年に発表された「リーボック クラシック(REEBOK CLASSIC)」とのコラボレーションが印象に残っている人も多いだろう。
このコラボはリーボックの日本企画によるものだったが、“ありそうでなかった”デザイン性から世界中で話題に。これを受けて20年春夏、リーボックが大北デザイナーを招へいしたグローバルライン「リーボック エイティーワン(REEBOK EIGHTYONE)」が誕生した。ブランド名は日本の国番号である「+81」に由来し、コンセプトは“世界から俯瞰して見た東京を世界に発信する”。日本が世界から注目を浴びる今、大北デザイナーとリーボックが東京から仕掛ける「リーボック エイティーワン」について話を聞いた。
WWD:2018年から続くリーボックとの協業の契機は?
大北:普段からお世話になっている方にご紹介いただいたのですが、そのときは漠然と「スニーカーをやりたい」というイメージでした。
WWD:過去2度のコラボで、“クラブC(CLUB C)”と“デイトナ DMX VA(DAYTONA DMX VA)”を選んだ理由は?また、スニーカーでどう“自分らしさ”や“ブランドらしさ"を表現した?
大北:スニーカーは2モデルともリーボックからの提案です。自分らしさは“自分の普段着っぽく・意外とハマる”を念頭に、ブランドらしさは“いつもと同じ感覚で色を選ぶ”で表現しています。どちらもリーボックのインラインや他ブランドとのコラボモデルと類似していないかどうかが難しかったですね。
WWD:「リーボック エイティーワン」をスタートさせることになったきっかけは?
大北:「ヴァイナル アーカイブ」として2度リーボックコラボさせてもらい、その中で「もっと奥行きのあるデザインをしてみるのはどうですか?」とお話をいただいたんです。自分自身としても興味があり、信頼できる担当の方からのお声掛けだったので引き受けることにしました。
WWD:なぜ、日本の国番号「+81」をブランド名に?
大北:なんででしょう……パッと思いついたんです。今年はオリンピックイヤーというものあってか、“海外から見た日本”と“日本から見た海外”を分け隔てなく見せたいと思い、日本の国番号である「81」という数字が浮かびました。
WWD:ウエアの色味やスニーカーのベースモデルに“ジグ キネティカ(ZIG KINETICA)”や“インスタポンプ フューリー(INSTAPUMP FURY)”(4月発売予定)を選んだ意図は?
大北:ウエアはリーボックらしい色味を意識しながら、反骨精神を少しプラスしたダークトーンにしています。自分のブランドを10年やってきているので、色の癖はどうしても出てきます。素直に作りたいと思ったので、深く考え過ぎずに色付けしました。
スニーカーは「ヴァイナル アーカイブ」のときと同様にリーボックからの提案だったんですが、“インスタポンプ フューリー”はこれまで展開されてきた数が多いモデルなので、そこをかいくぐってカラー提案するのは楽しかったです。
WWD:大北デザイナーが思う、東京とは?そして、リーボックとは?
大北:東京にはさまざまなカルチャーがあり、それぞれが自分なりに掘ってエディットして表現しているーーそういったリミックス感みたいなものかなと思っています。リーボックは、勝手に思っているのですが“try and error”です。
WWD:今後、リーボックと見据えるビジョンは?
大北:「リーボック エイティーワン」が発売していろいろな方に届いたとき、また見えてくると思います。その瞬間が楽しみです。