
プルマン東京田町は10月1〜31日、開業8周年を記念した“8周年記念 サステナブルランチコース”を2階のレストラン「KASA」で提供する。スターター、メーン、デザート、ドリンクを含む“カサコース”が6800円、スターター、メーン、ドリンクの“カジュアルコース”が5600円だ。
テーマは「未来へつなぐ、循環する価値」。規格外野菜やセカンダリーカット、副産物など、これまで十分に活用されにくかった食材に新たな価値を与えながら、長野県の郷土料理“やたら”や英国の伝統料理“シェパーズパイ”といった、食文化の中に息づく“食材を無駄にしない知恵”も取り入れた3品のコースだ。
“サステナブル”という言葉だけを聞くと、環境への配慮を優先した結果、味や満足感が二の次になるようなイメージを持つ人もいるかもしれない。今回のコースで印象的だったのは、むしろその逆。サステナブルをポジティブに楽しんでもらうためにこそ、素材そのものの味や調理法にしっかりとこだわっていることだった。
規格外野菜を、“やたら”とタルタルで一皿に
スターターは「オーストラリア産ビーフタルタルとやたらテリーヌ」。
長野県の郷土料理やたら”を、旬の不揃い野菜や自然災害などで生じた規格外野菜を使ってテリーヌ仕立てにした。下には、信州味噌や蕗味噌を合わせたオーストラリア産ビーフのタルタルを添える。ビーフにはセカンダリーカットを使用し、食材を余すことなく生かす発想を取り入れた。
タルタルは味噌のコクがしっかりと感じられ、凝縮した肉の旨みと好相性。上のテリーヌを崩しながら合わせて食べると、野菜のシャキッとした食感や爽やかさが加わり、一口ごとに風味や食感の変化を楽しめる。
“規格外野菜を使っている”という背景を知らなくても、1皿としてきちんとおいしい。その上で、食べ終えたあとに素材の背景を知ると、サステナブルという言葉が少し身近に感じられる。
ラムの魅力を、2つの表情で楽しむ
メーンは“ラムチョップのグリル ラムキーマ風シェパーズパイ”。エグゼクティブシェフの福田氏はオージーラムのアンバサダーを務めており、より多くの人にラムのおいしさを知ってもらいたいという思いも、この一皿に込められている。
主役のラムチョップは香ばしくグリルし、シェパーズパイにはラムのセカンダリーカットをミンチにしたキーマを使用。残ったロースト肉や野菜を無駄なく使うために生まれたシェパーズパイという料理そのものが、もともとサステナブルな背景を持っている。
ラムチョップは驚くほど臭みがなく、噛むと肉の旨みがしっかりと広がる。焼き加減も絶妙で、やわらかさがありながら、ラムらしい肉質はきちんと残している。
一方のシェパーズパイは、同じラムでもまた違った魅力。キーマ風に仕立てた肉にはスパイスが効き、少しピリッとした辛さがアクセントになる。なめらかなソースと合わせることで味わいに丸みが加わり、ラムチョップと交互に食べることで、同じ食材の異なる表情を一皿で楽しめた。
酒粕、チョコ、柑橘。最後まで“循環”を楽しむデザート
英国の伝統的なデザート“イートンメス”をベースに、有機チョコレート、アーモンドミルク、クッキーの端材を組み合わせ、日本酒造りの副産物である酒粕を使ったアイスを添えた。さらに、柑橘の皮から作ったコンフィチュールも使用する。
酒粕アイスは、日本酒らしい香りが鼻に抜け、その香りがチョコレートのコクや柑橘の華やかさを引き立てる。柑橘の皮を使ったコンフィチュールの爽やかさとほのかな苦味が、濃厚になりすぎないよう全体を引き締めているのも印象的だった。
サクサクとしたクッキー、ひんやりとした酒粕アイス、濃厚なチョコレート、爽やかな柑橘。さまざまな食感や温度、香りが重なり、食べ進めるほど表情が変わる。サステナブルというテーマを忘れるほど、純粋に“食べていて楽しい”デザートだった。
サステナブルを“我慢”ではなく、食の楽しさに

今回のランチを通して感じたのは、サステナブルという考え方を食事の制約にするのではなく、料理をより面白くするきっかけとして捉えていることだ。
規格外野菜やセカンダリーカット、副産物と聞くと、“使えるものをもったいないから使う”ようなイメージもある。しかし実際の料理は、その素材だからこその食感や味わいを生かしながら、別の価値へと変えている。
「8周年記念 サステナブルランチコース」概要
期間:2026年10月1〜31日
時間:12:00〜14:30(L.O.14:00)
場所:KASA/プルマン東京田町2階
住所:東京都港区芝浦3-1-21
料金:カサコース6800円、カジュアルコース5600円
アクセス:JR田町駅直結徒歩1分、都営地下鉄三田駅徒歩3分
プルマン東京田町の公式サイトはこちら