「マリーン セル(MARINE SERRE)」はこのほど、破産管財人の管理下に置かれたことを明らかにした。パリ商業裁判所に申し立てていた保護申請が承認されたことを受け、今後は投資家を募りつつ事業再建を図る。
「マリーン セル」は2017年の設立
同ブランドのマリーン・セル創業デザイナーは、1991年フランス中南部コレーズ生まれ。2016年にベルギーの芸術学校ラ・カンブル(La Cambre)を首席で卒業し、「アレキサンダー・マックイーン(ALEXANDER MCQUEEN)」(当時)や「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」などでインターンとして働いた後、デムナ(Demna)時代の「バレンシアガ(BALENCIAGA)」でキャリアをスタート。自身の名を冠したブランドを始動し、17年にLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)による「LVMHヤング ファッション デザイナー プライズ(LVMH YOUNG FASHION DESIGNER PRIZE)」でグランプリを受賞した。18年にはアップサイクリング・プログラムを立ち上げ、18-19年秋冬にパリ・ファッション・ウイークでデビューショーを開催。オートクチュールのような精密さやテーラリング、スポーツウエアの軽やかさ、斬新な素材使いなどを融合した独自のクリエイションでカルト的な人気を博している。
卸先である百貨店やECの凋落が打撃に
中小規模の独立系ブランドの多くと同様に、「マリーン セル」の販売チャネルは卸とECが中心だ。このため、高級ブランドを扱うECサイト「エッセンス(SSENSE)」の倒産およびマッチズ(MATCHES、旧マッチズファッション)の終了、直近では米百貨店ニーマン・マーカス(NEIMAN MARCUS)やサックス・フィフス・アベニュー(SAKS FIFTH AVENUE)などを運営するサックス・グローバル(SAKS GLOBAL)の破産申請(現在は新たな所有者の下で事業再建を図っている)といったここ数年の動きが打撃となった。
「複数の取引先による債務不履行が発生した」
同ブランドは、「25年度は世界的な社会情勢および景気の悪化を背景に、複数の取引先による債務不履行が発生し、『マリーン セル』の資金繰りにマイナスの影響があった。今回、会社更生手続きが承認されて裁判所の保護下となったことにより、キャッシュポジションを改善し、次回のコレクションの制作に資金を回し、活動を継続するための計画を立てられるようになった」とコメントした。
なお6月には、コペルニSAS(COPERNI SAS)が運営する仏ブランド「コペルニ(COPERNI)」が破産管財人の管理下に置かれたことを明らかにしている。