ファッション

「テルマ」×UAに見る、デザイナーの希望 インディペンデントブランドが抱えるジレンマ

有料会員限定記事

PROFILE: 中島輝道/「テルマ」デザイナー

中島輝道/「テルマ」デザイナー
PROFILE: (なかじま・てるまさ)アントワープ王⽴芸術学院在学中の卒業コレクションが評価され、「クリスティーン・マティス賞」および「ルイ賞」を歴代、かつ日本人として初めてダブル受賞。同コレクションがアントワープ市内にあるセレクトショップ、ルイのウィンドーディスプレーを飾った。2010年の卒業後は「ドリス ヴァン ノッテン」に入社し、アシスタントデザイナーとしてウィメンズデザインを担当。その後、14年に「イッセイ ミヤケ」 へ⼊社。独⾃のシルエット表現と国内産地との素材開発を学んだ。22年に「テルマ」を設立

2026年1月、ユナイテッドアローズ(以下、UA)が中島輝道デザイナーによる「テルマ(TELMA)」を事業譲受し、子会社化した。中島デザイナーは「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」「イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)」で経験を積み、その後「テルマ」を立ち上げた。24年には「JFW ネクスト ブランド アワード 2025」のグランプリを受賞。国内では主要セレクトショップと百貨店に卸し、海外では北米を中心に展開する。その歩みは順調に映るが、中島デザイナーは「常にビジネスとクリエイションの両立に悩んでいた」と話す。(この記事は「WWDJAPAN」2026年4月6日号からの抜粋です)

「テルマ」の歩み

2022年 ウィメンズブランド「テルマ」設立
2022年 春夏コレクションでデビュー
2024年 「JFW ネクスト ブランド アワード 2025」グランプリ受賞
2024年9月 「楽天ファッションウィーク東京」2025年春夏で初のランウエイショーを開催
2025年3月 「楽天ファッションウィーク東京」2025-26年秋冬で2度目のランウエイショーを開催
2026年1月 ユナイテッドアローズによる事業取得に伴い、新子会社「TELMA」設立

相次ぐ事業譲渡
共通する葛藤

同様の事例として記憶に新しいのが、24年3月に村上亮太デザイナーによる「ピリングス(PILLINGS)」がサザビーリーグと事業譲渡契約を結んだ件だ。その後、「ピリングス」は継続的なショー開催や「ロンハーマン(RON HERMAN)」での取り扱い開始によって認知度向上に成功。また、直近では26年2月にニットバッグブランド「ラストフレーム(LASTFRAME)」が「土屋鞄」を運営するハリズリーに参画。26-27年秋冬から新体制となり、海外を視野に入れた新商品の展開に加え、値下げも実現した。

事業譲渡を発表した当時の取材で、村上デザイナーはサザビーリーグに入る前の経営を「自転車操業」と表現していた。冗談交じりの言葉ではあるが、インディペンデントブランドのデザイナーにとってひとごとではない。デザインを追求したい、発信もしたい。だが、それらを同時に実現するには、人も資金も時間も足りない。特にデザイナー自身が経営、生産管理、出荷指示までを担う場合、その負荷は臨界点に達しやすい。

この続きを読むには…
残り1667⽂字, 画像7枚
この記事は、有料会員限定記事です。
紙版を定期購読中の方も閲覧することができます。
定期購読についてはこちらからご確認ください。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

2026年入社のニューカマーたちに捧げる「ファッション&ビューティ業界ガイド」

「WWDJAPAN」4月6日号(vol.2466)は、これから新しい一歩を踏み出すフレッシャーズはもちろん、変化の激しい現代を生き抜く全業界人へ贈る、熱量たっぷりの「ファッション&ビューティ業界入門 2026」特集です。業界で働くとは、つまり「プロ」として生きていくこと。そのためにまず把握しておくべき「業界のアウトライン」を知るための最新データとエッセンスをぎゅぎゅっと凝縮しました。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。