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プラダ、25年も増収増益 買収した「ヴェルサーチェ」のクチュールラインをリローンチ

プラダ グループ(PRADA GROUP以下、プラダ)の2025年12月期決算は、売上高が前期比5.3%増の57億1800万ユーロ(約1兆406億円)、調整後EBIT(利払前・税引前利益)は同3.4%増の13億2400万ユーロ(約2409億円)、純利益は同1.5%増の8億5200万ユーロ(約1550億円)だった。

地域別での売上高(小売り、以下同)は、欧州が同2.0%増の15億6300万ユーロ(約2844億円)、南北アメリカは同12.3%増の9億3200万ユーロ(約1696億円)。いずれも地元客の需要が好調だった。中国市場が回復基調にあるアジア太平洋地域(日本を除く)は同5.9%増の16億9900万ユーロ(約3092億円)、インバウンド需要が減速した日本は同0.1%減(現地通貨ベースでは3.1%増)の6億5600万ユーロ(約1193億円)。引き続き好調な中東は同10.6%増の2億2700万ユーロ(約413億円)だった。

ブランド別の売り上げでは、主力の「プラダ(PRADA)」が同4.8%減の33億9200万ユーロ(約6173億円)、勢いが続く「ミュウミュウ(MIU MIU)」は同29.8%増の15億9400万ユーロ(約2901億円)だった。

パトリツィオ・ベルテッリ会長のコメント

パトリツィオ・ベルテッリ(Patrizio Bertelli)会長兼エグゼクティブ・ディレクターは、「マクロ経済および業界全体が厳しい環境にある中でも、健全な成長と十分な利益を伴う堅実な業績を上げることができてうれしく思う。傘下ブランドの需要は、クリエイティビティーの高さ、一貫性、そしてオーセンティック(本物)であることに根差している。そうした品質の高さやクラフツマンシップ、運営上の機敏性を支える製造プラットフォームが当社の大きな強みだ。『ヴェルサーチェ(VERSACE)』の買収は、当社の戦略的発展における重要なステップだと考えている。独特の魅力を持ち、当社のポートフォリオを補完する同ブランドは、長期的な成長に大いに貢献してくれるだろう」と語った。

「ヴェルサーチェ」新デザイナーのデビューは27年初頭

プラダは25年4月、カプリ ホールディングス(CAPRI HOLDINGS以下、カプリ)から「ヴェルサーチェ(VERSACE)」を12億5000万ユーロ(約2275億円)で買収。取引は12月2日に完了した。25年の売上高は6億8400万ユーロ(約1244億円)で、プラダにはそのうち5134万ユーロ(約93億円)が計上されている。同ブランドは、26年下半期中にカプリから完全に分離される見込み。

ヴェルサーチェの今後の経営体制としては、創業一族の出身でクリエイティブ面を担うミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)とベルテッリ会長兼エグゼクティブ・ディレクターの息子であるロレンツォ・ベルテッリ(Lorenzo Bertelli)最高マーケティング責任者兼CSR部門ヘッド(当時)が、兼ねてより見込まれていたとおりエグゼクティブ・チェアマンに就任。エマニュエル・ギンツブルガー(Emmanuel Gintzburger) 最高経営責任者(CEO)は続投する。

また、25年12月に退任を発表したダリオ・ヴィターレ(Dario Vitale)前チーフ・クリエイティブ・オフィサー(CCO)の後任として、ピーター・ミュリエ(Pieter Mulier)「アライア(ALAIA)」クリエイティブ・ディレクターが7月1日付で就任する。同氏は27年初頭に「ヴェルサーチェ」でのデビューコレクションを披露する予定。

クチュールラインの「アトリエ ヴェルサーチェ」をリローンチ

ベルテッリ新エグゼクティブ・チェアマンによれば、「ヴェルサーチェ」は今後、ブランドのリポジショニング、品質の向上、定価販売の強化および販売網の最適化を行うという。その一環として、ミュリエ新CCOの指揮の下、オートクチュールラインである「アトリエ ヴェルサーチェ(ATELIER VERSACE)」をリローンチする。同ラインは17年春夏シーズン以降、ショー形式での発表を休止し、得意客向けのプライベートなプレゼンテーションに切り替えていた。一方で、伊アパレル企業スウィンガー・インターナショナル(SWINGER INTERNATIONAL)とライセンス契約を締結している「ヴェルサーチェ ジーンズ クチュール(VERSACE JEANS COUTURE)」は終了する。

ベルテッリ新エグゼクティブ・チェアマンは、アナリスト向けの決算説明会で、「グラマラスなファッションの歴史を形成した『ヴェルサーチェ』を迎え、その新章の扉を開けられることをうれしく思う。同ブランドは豊かなアーカイブ、力強いブランド力、そしてカルチャーとの高い親和性を持っており、オートクチュールを含む幅広いカテゴリーで事業を展開している。これまで開拓されていないさまざまな成長エンジンが眠っているが、それらを一朝一夕で呼び覚ますことはできないだろう」と述べ、長期的な視点でブランド開発に取り組む必要があると説明した。

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