毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2026年2月16日号からの抜粋です)
横山:今号はyutori特集です。片石(貴展)社長はビジネスメディアや、自身のSNSも含めて非常に目立つ存在で、2025年は特に脚光を浴びましたが、特集では役員クラスや現場の人も含めて、yutoriという会社全体を徹底解剖しました。情報がたくさん出ている企業ですが、取材してみると、実は一部しか見えていないことが分かりましたね。
佐藤:そうですね。見た目がとっぴなので、何か“変わったこと”を期待してしまいましたが、実際はやるべきことを愚直にやっている好青年集団でした。
横山:まさに。片石社長は「若者帝国」を掲げているけれど、yutoriって、今の時代にあったZ世代によるZ世代のためのZ世代の会社、そのスタンダードを作ろうとしているんだと思いました。創業からあまり赤字を出しておらず、経営も堅い。上場を目指すのも、パブリックに存在感を出していく。そんなふうにスタンダードになることを大事にしていると感じました。
佐藤:SNSマーケティングが得意でヒットを生んでいる会社ですが、「SNSとアイテムの強さの掛け算があって熱量が生まれる」という方程式に則って、商品をランク分けして、発信の強弱をつけることを各ブランドで共通してやっていることに感心しました。今一番トレンディーなアイテムをSランクの人気を獲得する起爆剤として集中的にSNSに露出し、そこで掴んだファンにランクA、ランクBの商品を提案し、さらに“種まき”アイテムにまで関心を持ってもらえるように広げていく。ロジックに忠実で、それがうまくいっています。
本当に“令和”なんだなと実感
横山:本当に“素直”なんですよね。いい意味でクセがない。「下剋上!」とか言っているけれど40代の僕が取材すれば、年上に対するリスペクトを示すし、意地悪な質問をしても、はぐらかさず、ごまかすことがない。新世代、“令和”なんだな、と実感しました。
佐藤:僕はアダストリアでMD職を経験し、今はGDC事業を管轄するyutori最年長の佐藤祐介さんを取材しました。「この会社は伸びる!」と思って21年に加わった彼が、MDの概念とノウハウを持ち込んで基盤を作り、今のyutoriがあるようです。片石社長のカリスマ性にスポットが当たりがちですが、彼らがやっていることは、実はオーソドックスで正攻法。学ぶことが多いですよね。