資生堂は、シニアアドバイザーを務めていた魚谷雅彦氏が、2025年12月31日付で契約終了により退任したと明らかにした。
魚谷氏は在任期間中、シニアアドバイザーとして渉外活動や人材育成支援などを担ってきた。同社によると、魚谷氏に委託していた財界・渉外活動などの役割について、社内における担当体制が整ったことを受け、契約を終了したという。
今後、資生堂の経営や事業運営に関与する予定はないとしている。
魚谷氏は、ライオン歯磨(現ライオン)や日本コカ・コーラで社長、会長を歴任した後、2013年4月に資生堂のマーケティング統括顧問に就任した。14年4月に社長CEOに就き、業績回復と事業構造改革を主導した。
19年12月期には、売上高が1兆1315億円、営業利益が1138億円、純利益が735億円といずれも過去最高を更新した。事業ポートフォリオの再編も進め、19年には米クリーンビューティブランド「ドランク エレファント(DRUNK ELEPHANT)」を買収し、成長が続くスキンケア分野への投資を強化した。
一方で、21年には「ツバキ(TSUBAKI)」や「ウーノ(UNO)」などを含むパーソナルケア事業を米投資ファンドのCVCキャピタル・パートナーズに売却。さらに同年、「ベアミネラル(BAREMINERALS)」「ローラ メルシエ(LAURA MERCIER)」「バクサム(BUXOM)」の3ブランドを米投資ファンドのアドベント・インターナショナルに譲渡した。不採算事業や周辺事業の整理を進め、経営資源をプレミアム領域とスキンケア中核事業に集中させた。
23年には会長CEOに就いた。25年1月からはシニアアドバイザーとして、経営陣の要請に基づく助言や人材育成支援、渉外活動などを適宜行ってきた。
現在の資生堂を取り巻く経営環境は大きく様変わりしている。25年12月期の通期業績予想は、最終損益が520億円の赤字と過去最大規模の赤字に陥る見通しだ。業績の悪化を受け、同社は経営再建に向けて固定費削減や組織見直しを柱とする構造改革を進めている。