
ビューティ賢者が最新の業界ニュースを斬る
ビューティ・インサイトは、「WWDJAPAN.com」のニュースを起点に識者が業界の展望を語る。
今週は、ブランドの魅せ方の話。(この記事は「WWDJAPAN」2025年12月22&29日号からの抜粋です)

木津由美子/ビューティ・ジャーナリスト プロフィール
(きづ・ゆみこ)早稲田大学卒業後、外資系航空会社、化粧品会社のAD/PRを経て編集者に転身。「VOGUE」「marie claire」「Harper's BAZAAR」でビューティを専門に担当し、グローバルトレンドやウェルネス企画などを展開。2023年独立。早稲田大学大学院商学研究科ビジネス専攻修了、経営管理修士(MBA)。FASHIONSNAPにて香水連載を展開中
【賢者が選んだ注目ニュース】

年末のビューティ業界は、ホリデー限定品イベントと翌年1〜3月発売の新製品発表会が重なり、1年で最も多忙を極める。コロナ禍以降、プレス発表会のほとんどがオンラインからオフラインに切り替わっているが、特に今年は11月から12月中旬まで毎日5〜6件という異常事態。SNSマーケティングが主流の今、リアル発表会は増えこそすれ減ることはなさそうである。そして発表会でもポップアップでも、ブランドアイコンを主役にSNS用フォトエリアを設けるのがすっかり当たり前の光景となった。
今回は、その“ブランドアイコン”の話である。K-POPアイドルがこんなにもブランドの顔になることを誰が想像できただろうか。しかし振り返れば古来、ハリウッドスターやスーパーモデルをブランドアイコンに起用するのは定石。特に化粧品業界の場合、まさに肌やメイクアップの美しさを語る“顔”は最強のメッセンジャー。だから時代が移り欧米人からアジア人に替わっただけ、とするのは違和感がある。アンバサダーの役割が微妙に異なっているからだ。
ハリウッドスターをブランドアイコンに起用する際は、ブランドとの親和性を見極めて厳選する。彼らはキービジュアルに登場するだけでなく、各国キャンペーンでの取材対応にも応じるのが通例だ。俳優ならではの“語る力”も相まって、雑誌を中心としたアナログメディアと好相性を発揮する。
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