
伊藤忠商事は米国のアウトドアブランド「ケルティ(KELTY)」の日本と中国、台湾、韓国での商標権を獲得した。現状はバッグとアパレルが主力だが、今後はファッションや本格ギアを強化しつつ、アイウエアやシューズ、キャンプなどのカテゴリも追加する。5年後には日本で60億円、海外も含めると100億円規模に成長させる考え。
「ケルティ」は1952年にスタート。60年代には軽量アルミフレームを使ったバックパックを開発し、米国のエベレスト遠征タイや南極探検隊に採用されるなど、本格派バックパックの代名詞としても知られる。日本では長らくアリガインターナショナルが輸入販売総代理店を務めている。米国では本格派ギアのイメージが強いものの、日本ではセレクトショップへの卸やウイメンズに強い。
伊藤忠はブランドマーケティング第二部の同二課が中心となって昨年12月に商標権を獲得。従来の販路を維持しつつ、ファッションブランドとのコラボレーションを積極的に仕掛けていく。2026年春夏向けパリ・メンズ・ファッション・ウイークでは「ホワイトマウンテニアリング」とコラボレーションも行った。また、米国ではルーツとなった本格派バックパックのほか、テントやキャンプグッズも展開しており、そうしたアイテムも拡充する。
世界的なプレゼンスを持つ日本のブランドとのコラボレーションで知名度を高めることで、商標権を有する中国と台湾、韓国エリアにも足場を固めていく考え。