昨今の消費者は年齢にかかわらず、健康寿命に今まで以上に投資するようになっている。「より健康的かつ幸せで便利な生活」をサポートするコンシューマー部門を対象としたスペインのテーマ型ファンド、アイリス・ベンチャーズ(IRIS VENTURES)が4月に発表したリポート「栄養による長寿」によれば、血漿注入を好む億万長者だけが長寿を目指しているわけではないようだ。マーケットインテリジェンス・エージェンシー大手ミンテル(MINTEL)の2023年の調査結果は「Z世代の65%が減量や短期的なメリットよりも、長期的な健康効果に焦点を当てたダイエットや食品選択を好む」と示しており、多様なデモグラフィックに属する日常生活者が、健康寿命を可能な限り延ばすために取り入れられる小さな習慣を探している。(この記事は「WWDJAPAN」2025年4月28日&5月5日合併号からの抜粋です)
“ロンジェビティ(健康的に長生きするために寿命を延ばすこと)”がウェルネスのゴールとして広く知られるようになった一方で、マルタ・インデカ(Marta Indeka)=アイリス・ベンチャーズ 研究責任者は「“ロンジェビティ”はまだ抽象的で手の届かないものに感じられ、富裕層のみがアクセスできるクリニックや施術・治療法と結び付けられることが多い」と指摘する。「長寿地域の暮らし方から着想を得た、植物性の食事を中心としたダイエット法『ブルーゾーン・ダイエット』の影響もあり、抗炎症作用のある食事法や、健康の維持・増進に役立つ機能性食品への関心が高まっている。消費者は過剰に加工された食品を避け、ホールフード(加工や精製を可能な限り抑えた植物性食品)や果物、野菜の摂取量を増やし、血糖値の安定に気を使うようになっている。一方で、このような日常的な栄養摂取に起こっている変化についてはあまり語られていない」と続ける。「新興ブランドは、消費者が科学的な効能をシンプルかつ分かりやすく理解できるようサポートし、健康寿命の延長をより身近なものにする役割を果たしている。当社はそこに商機を見いだし、ロンジェビティをかなえるために日常に取り入れられる製品を開発するブランドを支援している」。
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