ファッション

BeReal CEOエメリック・ロフェが来日 関西コレクションのメディアパートナーとして参加

2020年にフランスで生まれたBeReal(ビーリアル)は、ユーザーの8割以上がZ世代であり、昨年6月にゲーム会社Voodooに買収された。現在CEOとして舵を切るのは、VoodooでSNS関連サービスをけん引してきたエメリック・ロフェ(Aymeric Roffe)だ。3月にファッションイベント、KANSAI COLLECTION 2025 SPRING & SUMMERとのパートナーシップを結び、更なる日本市場での強化を目的に初の来日を果たしたエメリックCEOに話を聞いた。

PROFILE: エメリック・ロフェ/BeReal CEO

エメリック・ロフェ/BeReal CEO
PROFILE: 幼少期からテクノロジーに関心を持ち、14才の時にプログラミングを学び始める。Voodooの子会社Wizzを立ち上げた。2024年6月にVoodooが買収したBeRealの新CEOに就任

WWD:昨年CEOに就任して以来、ユーザー数や広告機能についてどのような変化が見られたか

エメリック・ロフェCEO(以下、エメリック):昨年は日本でのユーザー数が40%増と大きく伸びた。また、昨年7月に新たに追加した広告機能は、予想を超えるほどの需要があった。特に良い広告パフォーマンスが得られたのは、Z世代向けにリーチしたいという広告主だ。ファッションやコスメ、そしてゲームなどのエンタメ、アルバイト募集なども含まれる。現在のユーザーの83%はZ世代だが、徐々にユーザーの年齢幅は広がっている。美容やスポーツアパレル、エンターテインメント分野は、グローバルとして今後も特に注力したい分野だ。

特にランダムな時間に通知が届き投稿するBeRealでは、時にすっぴんの姿やおしゃれをしていないタイミングに投稿をしなければいけないことも多い。その点において、昨今のファッションやビューティー業界では、“ありのままの美しさ”に注目していることを考えると、非常に相性が良いと考えている。

WWD:今回の市場調査ではどのような収穫が得られたか。

エメリック:今回は主に高校生、大学生のユーザーに話を聞いた。大前提として、日本のユーザーはエンゲージメントがとても高い。通知の時に写真を撮るだけではなく、その時以外でもたくさん撮影をしていることが分かっている。そして世界的に見てセルフィーを撮影する人はすごく多いが、特に日本のユーザーは友達などとグループショットを撮っている印象を受けた。またメモリー機能を使用し、これまでに自分が投稿した写真をよく見返している。また印象的だったのは、日本のユーザーがすごくクリエイティブにBeRealを使用している点だ。フロントカメラとバックカメラ、それぞれが起動する間には1秒ほどの時間があるが、その1秒の間に色々な工夫を加えていることがわかった。

WWD:3月には、KANSAI COLLECTION 2025 SPRING & SUMMERとBeRealのパートナーシップを発表した

エメリック:グローバル全体で見て、BeRealとイベントのコラボレーションは非常に相性が良いと考えている。KANSAI COLLECTIONではイベント中に12分間のBeRealステージを作り、Z世代に支持されるインフルエンサーらがランウエイを歩いた。彼女達には、BeRealらしく“ありのまま”の姿を見せるため、私服を着用してもらった。そしてアジア領域一体でBeRealの通知は同時に行われているが、ランウエイ中にBeRealの通知が届いたのだ。その瞬間、たくさんの来場者がBeRealで撮影をし、投稿を行った。とてつもない熱狂が起きた瞬間だった。こんなにも多くのユーザーが同時に撮影をしているのを目の当たりにでき、これまでにない手応えを感じられた。今後もKANSAI COLLECTIONとのパートナーシップは継続していく予定だ。

WWD:今後、Voodoo傘下のゲームとBeRealでの直接的な連携を行う予定はあるのか?

エメリック:現時点では予定していない。Voodooのサービスとの直接的な連携を行うというよりも、Voodooが10 年以上培ってきた開発やスケール、マネタイズなどの知見をシェアしていきたいと考えている。

WWD:今後の目標とは?

エメリック:主に3つある。1つはプロダクトの改良、改善。それによってユーザーのエンゲージメントを高め、ユーザーがBeRealをもっと楽しめるように注力したい。2つ目はユーザーの更なるグロース。一般ユーザーだけではなく、ブランドや著名人などの公式アカウントを増やし、彼らのファンコミュニティー層をBeRealに引き込んでいきたいと考えている。そして3つ目は広告機能。より使いやすく、手が届きやすい広告システムへと改善していけるよう努めていく。

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