ミキモトグループの御木本製薬が2024年10月に設立した化粧品販売・企画会社LINKはこのほど、スキンケアブランド「リンク(LINK+U)」を立ち上げた。第1弾は、クレンジングオイル“ナチュラルクリア クレンジングオイル”(150mL、4620円)、洗顔フォーム“ストレッチ フォーミングウオッシュ”(90g、3850円)、化粧液“ハイドロ ナノエッセンスローション”(150mL、4950円)、保湿乳液“モイストプランプ エマルション”(120mL、5940円)の4品。公式ECサイトからスタートし、将来的には化粧品販売店での取り扱いも視野に入れる。
「リンク」は22年に始動した御木本製薬の新規事業プロジェクトをきっかけに発足した。既存のカウンセリングを基本としたプレステージブランド「ミキモト コスメティックス(MIKIMOTO COSMETICS)」との差別化を図るべく、中価格帯のセルフスキンケアブランドとして展開する。御木本製薬が推進するマルチブランド戦略のもと、これまでとは異なるニーズへの対応を目指す。
「リンク」は
少ないステップで大きな効果を
御木本製薬の製品企画としてスキンケアアイテムの企画を担当してきた「リンク」の中島茉純プロダクトマネージャーは、製品開発のきっかけを「自身が40代になり、肌悩みも年々増えているが、仕事、家事、育児となかなか自分の時間を持つことができずにいる。周りの同世代にも同じような感覚を持つ人が多く、もう少し無理なく続けられて、肌にも優しく効果が感じられるスキンケアがあればと思った」と説明した。
これを出発点に、25〜45歳の女性800人に対する定量調査と30代の女性16人に対する定性調査を実施。結果、ターゲット層には「お手入れや気持ちに余裕ができて効果実感できるスキンケアが欲しい」というニーズがあることが判明した。
これに応えるために、ブランドコンセプトに「私らしくを美しく。EFFORTLESS BEAUTY」を掲げ、第1弾は、クレンジングオイル、洗顔フォーム、化粧液、保湿乳液の4つで設計した。「アイテム数としては少なく感じられるかもしれないが、4品でも肌への効果をしっかりと感じてもらえる設計にした」(中島プロダクトマネージャー)。
全アイテム共通の配合成分として、独自複合成分の“シナジーフローコンプレックス”を採用。海洋由来成分の“ガラクトシルグリセロール”と植物由来成分の“イシゲエキス”など6つの成分を組み合わせた独自成分で、高い保湿力や潤い、透明感のある肌へと導く効果が期待できる。“ガラクトシルグリセロール”は三重県のノリ養殖産業で廃棄されるノリを使用し、“イシゲエキス”は岩に生える海藻を有効活用。地元の漁協と協力し、自社開発したサステナブルな原料だ。
さらに、粒子コントロール技術を用いて剤形ごとに最適な粒子サイズを開発。浸透、汚れの吸着、潤いを閉じ込める技術をそれぞれに採用した。自然由来成分が持つ力をサイエンスの力で引き出して肌に届けることで、肌を土台から整えることを目指す。
100%精油で調合した香りは、森の中にいるようなリフレッシュとリラックスへと導く“フローラルウッディアクア”を採用した。パッケージデザインは配合する自然由来の成分からイメージした色で仕上げた。環境への配慮から、容器にはバイオプラスチック、個装の袋にはFSC認証紙で製造したスタンディングパウチを採用している。
「リンク」では、肌、心、地域社会、自然環境の4つに軸を置いた“循環発想”を大切にする。「化粧品会社なので肌を美しくすることは当然だが、それだけでなく、地域の産業への貢献、自然環境を配慮したモノ作りをしながらお客さまの肌と心に響くような製品を届ける。そういう形で人と環境の良い循環を生み出すブランド、会社を作っていきたい」(松田和志LINK社長)。この思いを込めて、ブランド名の「リンク」は英語表記ではLINK + Uとし、「つながる」と「あなた」という意味を表現した。
御木本製薬とは
御木本製薬は、真珠のジュエリーで有名なミキモトのグループ会社。1943年に創業し、真珠を原料とした医薬品からスタートした。その後、真珠から美容成分を発見して化粧品事業に参入。化粧品の研究開発・製造を続け、26年には化粧品事業60周年を迎える。OEMとして他社の化粧品開発や製造を受託しており、工場では年間1000万個ほどの化粧品を生産する。