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中古時計バブル“ほぼ”終焉 最大の要因は、「買い」から「売り」に転じた中国人

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「やっと」というのが個人的な感想だが、2、3年ほど続いた「異常」としか言えないほどの「ロレックス(ROLEX)」「パテック・フィリップ(PATEK PHILIPPE)」「オーデマ ピゲ(AUDEMARS PIGUET)」などの高級時計ブランドの人気中古ウオッチの価格が、高騰前の水準に戻りつつある。

人気中古ウオッチの世界的な価格動向に関する客観性のあるデータは、実はほとんどない。数少ない指標のひとつが、経済メディア「ブルームバーグ(Bloomberg)」とイギリスの中古時計業者「サブダイヤル(SUBDIAL)」が提携して算出・発表する「ブルームバーグ・サブダイアル・ウオッチ・インデックス(以下、サブダイアル)」だ。これは「サブダイアル50」とも呼ばれる、中古市場で最も取引されている上位50モデルの人気高級時計の価格動向から導き出している。ちなみに50モデルのうち、実に44モデルが「ロレックス」。5モデルが「パテック・フィリップ」のラグジュアリースポーツウオッチ“ノーチラス”。そして残る1モデルが「オーデマ ピゲ」の“ロイヤル オーク ジャンボ ウルトラシン”。つまり、中古ウオッチビジネスの商材は8割以上が「ロレックス」で、ほとんどの中古時計店が依存している。

さて、この「サブダイアル」の指数の変動と、人気モデルの相場動向を総合して考えると、人気中古ウオッチの価格が急上昇したのは2021年の12月頃から。そして22年の2月から3月頃にはピークを記録する。そしてここから同年8月頃には、急上昇前の価格水準に。以降は21年12月の水準より下がって、ほぼ横ばいだ。残念なことだが、相場が上がる過程でこうした時計を購入された方の中には、損をされた人もいらっしゃるのではないか?

実は「サブダイアル」 は22年12月7日、「中古時計の価格が、過去1カ月で平均7.7%、過去半年で17.9%下落している」と発表し、時計のプロは注目していた。だが警告は日本ではまったく話題にならず、その後「闇バイト」の若者たちによる銀座の中古「ロレックス」専門店の襲撃事件が起きている。あの事件が起きた時、筆者の頭に浮かんだのは、まずこの数字だった。「人気中古ウオッチの価格は下落しているはずなのに……」と嘆かずにはいられなかった。

ところで、この人気中古ウオッチの価格下落の原因は何か?広く指摘されているのが、金融緩和の終焉と引き締め。国際的な経済環境の悪化だ。しかしこの解説は、正しいとは思うが、あまりに大雑把だ。

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