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創業25年目で3店舗目の出店 美容室「ダブ」が銀座に進出した狙いとは?

 1995年に東京・代官山に1店舗目を出店し、99年に表参道に2店舗目を出店。その後拡張を続けながら、両エリアを代表する美容室となった「ダブ(DaB)」は創業25年目を迎え、今年10月に3店舗目となる「ダブ ギンザ(DaB GINZA)」をオープンした。なぜこのタイミングで銀座に進出したのか――八木岡聡「ダブ」代表にその真意を聞いた。

WWD:これまで表参道と代官山の2エリアでやってきて、どうしてこのタイミングで銀座に出店したのか?

八木岡聡代表(以下、八木岡):以前から3店舗目の出店は計画していて、銀座も候補の一つとして考えていた。ただいい物件になかなか出合えずに、出店にまで至っていなかった。今回、縁があって銀座4丁目の交差点近くに位置するこの店舗に出合えたのと、現在銀座店のディレクターを務める山口大仁からも銀座でやりたいという意見があり出店を決めた。物件を決めてから出店までは半年もかかっておらず、「ダブ」としてもスピード出店だった。

WWD:この10年ほどで多くの美容室が銀座に進出している。その中で「ダブ」ならではの強みとは?

八木岡:やはりデザイン力と技術の高さだと考えている。「ダブ」は今年で25年目となるが、その長い歴史の中で多くのお客さまに支持され、常にトップサロンであり続けることができた。その中で培ってきたデザイン力と技術力は他のサロンに負けないと考えている。

WWD:ヘアサロン業界では、長らくトレンドの発信は原宿、青山、渋谷とされてきたが、銀座もトレンド発信地となり得るか?

八木岡:銀座は流行よりも文化的な側面の方が大きく、ここからヘアのデザイン的なトレンドがたくさん生まれていくかというと、そこは懐疑的で、デザイン性の高いヘアよりもコンサバティブなヘアが好まれるのではないかと感じている。だからといって、「ダブ」は銀座に合わせてコンサバティブにするのではなく、表参道や代官山と変わらず“クール・クチュール”というテーマでデザイン性の高いヘアを打ち出していく。ある意味で挑戦でもある。大げさかもしれないが、「ヘアデザインを通して、銀座の街をオシャレに変えていきたい」と考えている。

WWD:銀座店のオープニングスタッフは何人か?

八木岡:約115平方メートルとコンパクトな店なので、オープニングは10人。そのうちスタイリストは4人で、キャリアのあるベテランスタイリスト2人と若手スタイリスト2人という構成だ。銀座といえば“大人”のイメージもあるが、最近は若い人も増えており、ベテランと若手が協調することで、幅広いお客さまに対応できるようにしている。銀座店は、これまで「ダブ」に通ってくださっていたお客さまはもとより、これまでアプローチしにくかった東東京や千葉といったエリアの新規客も獲得できればと考えている。

WWD:25年目で3店舗というと出店数が少ない印象もあるが?

八木岡:3店舗というと少なく聞こえるが、常に拡張やリニューアルを行ってきていて、表参道店は約495平方メートル、代官山店は約330平方メートルとそれぞれのエリアでは最大級の広さ。消費者のテイストが多様化する中で、多ブランド化を進める美容室もあるが、「ダブ」は店舗数を増やすのではなく、1店舗の濃度が高い状態でありたいと考えている。それが「ダブ」の強みとなっており、多店舗化することでそれが薄れるのはブランディングにも大きく影響してしまう。イメージとしては“大学病院”のような存在で、それぞれのエキスパートが集まったサロンでありたい。今後も多店舗化を進めるというよりは、まずは銀座店を拡大していくことに注力していくつもりだ。

長く活躍し続けるには、フレッシュであるべき

WWD:八木岡さんは長く美容師をやってきて、今の美容師に何が必要だと感じている?

八木岡:集客方法や自己プロデュース方法などは時代やツールの誕生とともに変わってきた。今の瞬間だけをとらえるなら、SNSでフォロワーを増やして新規客をたくさん呼ぶということが重要だ。ただ、“ヘアデザインを通して顧客を増やす”といった、美容師という職業の根本的な部分は変わっていない。今の時代だからこそ、その本質を忘れてはならない。長く美容師を続けるなら、“美容師としての魅力”も必要で、センスや技術、コミュニケーション力なども求められる。仕事は生ものと一緒で鮮度が落ちたらダメ。常にフレッシュであり続けなければ飽きられてしまい、お客さまも離れていってしまう。

WWD:美容師は30~40代が売り上げのピークといった意見もあるが、八木岡さんは月800万円近く売り上げがある。その秘訣は?

八木岡:美容師の場合、「お客さまと共に年を重ねていく」といった意見もあるが、それだけだと顧客の数は減っていってしまう。先ほども言ったように、自分自身が常にフレッシュであれば、それが刺激となって、新規のお客さまもの獲得にもつながる。私の場合も、「会うと元気がもらえる」と言ってもらうことが多く、そうやって人にパワーを与えられる人は支持もされる。現状維持でいいと思っていると、それ以上成長しなくなってしまう。現在、サロンワークは水~土曜日の週4日で1日35~40人を担当している。予約も常に3カ月先まで埋まっている。どこまで現役美容師として活躍できるか、スタッフたちに見せていきたい。

■DaB GINZA
時間:月~金曜日 11:00〜21:00 / 土曜日 10:00~20:00/日・祝日 10:00〜19:00
定休日:火曜日
住所:東京都中央区銀座5-7-6 大黒屋ビルジング5F