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佐々木希が語る 「アンティミテ」は“自然体の私”が望むもの

 アンセミックが運営する佐々木希プロデュースのワンマイルウエアブランド「アンティミテ(INTIMITE)」は、初となるポップアップストアを伊勢丹新宿本店で17日までオープンしている。25日~10月1日には名古屋三越栄店で開く。これまでECのみで展開してきたが、初めてリアルで服を見せる場を設けた。ポップアップイベントを前に取材に応じた佐々木本人に、ブランド立ち上げのきっかけから服へのこだわり、今後の展望までを聞いた。

 多くの洋服に袖を通してきたであろう彼女に「服に一番求めていることは何?」そう尋ねると、少しはにかんで答えた。「着心地も、機能も、見た目も、ですね。私、すごく欲張りなんです(笑)。20代のころに選んでいた服は、とにかくデザイン重視で、カッコよくて、可愛くなきゃ着たくなかった」。だが自身の女性としてのライフステージの変化につれ、「だんだん、自分の生活のリアルな部分と向き合う機会が増えました。いくら見た目がよくたって、チクチク、ごわごわしてたら……私自身、肌が弱いのに、こんなの着なくていいじゃんって思うようにもなりました」。

 「アンティミテ」はそんな自然体の彼女が届ける日常着だ。「そのまま外に行けるような部屋着」をコンセプトに2017年5月スタート。目指したのはアットホームな心地の良さとしっかりとしたたたずまいの両立。「子供がいる女性なら朝はなおさらバタバタするし。毎日アイロンかけなきゃしわくちゃで着られないような服よりも、洗ってハンガーに干して、乾いたらすぐに羽織って、近くまで出掛けられるものがあったらいいなと思っていました」。

 今回のポップアップストアで並ぶ商品は、洗濯干しでシワが伸びる素材で、胸元のレースがアクセントのブラウス(1万6000円)やウールのように見えて洗濯できるテーパードパンツ(1万3000)など。ニットのように上品な見た目の綿・ポリエステルのプルオーバー(9200円)はパジャマとして使えるようセットアップで提案する。どれも佐々木自身が試着を重ね、洗濯をしてもしゃんとしているかどうかまで確かめた。「自分で着て納得できてから売る。それがお客さまに寄り添うということだと思う」。ポップアップのインスタレーションも、佐々木自身が「アンティミテ」を着る女性のペルソナを思い浮かべ、淡いブルーをバックにドライフラワーを並べた。

 すべて日本の生地と国内製造で、長く着られる品質にもこだわったのも「心地いい服は、何回も着たくなるもの」だから。「私自身も『アンティミテ』を毎日のように着ていて、気付いたらもう3年目。生活に溶け込むように、長く愛用していただきたいからこそ、こだわるところにはこだわりたい」。価格も1-2万円台がメインで、佐々木自身が本当に必要だと思う仕様を取捨選択して、買いやすく抑えている。

 立ち上げから2年半がたち、コートやニット、ワンピースなど部屋着のカテゴリーを超えてラインアップを増やしている。「夢中になるほどやりたいことが広がっていくのも、私らしさなのかな(笑)。お客さまを、ワンマイルのその先へ連れ出したとしても、これまでと同じような安心感、包み込まれるような心地よさを感じてもらえる『アンティミテ』でありたい」。ポップアップでは、19-20年秋冬の新作として肌触りと心地よい膨らみにこだわったキルティングジャケット(2万5000円)、体型の変化を気遣い、前後差でシルエットをきれいに見せるボアコート(3万9000円)、英国チェック柄で端正な見た目ながらウエストゴムのスカート(1万7000円)などもそろえた。

 「でも、ブランドをこれからどんどん大きくしようみたいな野望を抱いているわけじゃない」と佐々木は言う。「たとえば『アンティミテ』では腹巻き付きのアイテムがすごく人気。お腹の中にお子さまがいる女性はもちろん、普段から冷えが気を気にされている方は多いようで。そういう方から反響をいただくことが一番うれしい」と語る。「女性がこんなのがあったらいいのにと思う服って、意外とまだまだたくさんある。だからこそ、変に格好つけずに、自分が自然とほしいと思える服を素直に形にしていけたらと思う」。