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ウォルマート、中国の物流施設に1200億円投資 ブロックチェーン技術を利用した食品追跡システムも

 米小売最大手のウォルマート(WALMART)は7月1日、中国での物流やサプライチェーン強化のため、今後10~20年間で80億元(約1200億円)を投資すると発表した。

 ライアン・マクダニエル(Ryan McDaniel)=ウォルマート・チャイナ(WALMART CHINA)サプライチェーン部門シニア・バイス・プレジデントは、「中国の消費者に質の高い生鮮食品を届け、顧客サービスをさらに向上させるため、物流やサプライチェーンへの投資を増やしてオムニチャネル開発を推進する」と語った。

 同社は2019年3月に、中国南部に広さ3万平方メートル以上におよぶ生鮮食品配送センターを設立。同施設は定温・冷蔵・冷凍で4000種類の食品を取り扱うことができ、広東省などにある100店以上のウォルマートに1日当たり最大16万5000ケースを配送する能力を持つという。また同施設は、英国小売協会(BRITISH RETAIL CONSORTIUM以下、BRC)が定めた国際規格であるBRC保管・流通規格を中国で初めて取得している。ウォルマートは、中国国内にこうした配送センターをさらに10カ所以上設立する計画だ。

 ウォルマートは1996年から中国に進出しており、180以上の都市でおよそ400店を運営している。2018年は中国第2位のEC企業のJDドットコム(JD.COM)が擁する食品雑貨ECの「JDダオジャー(JD DAOJIA)」と提携し、スマートフォンでの決済が可能な“ハイテク版ウォルマート”を新たに出店した。

 ウォルマートはまた、シンガポールに拠点を置くブロックチェーンプラットフォームのヴィーチェーン(VECHAIN)や中国チェーンストア経営協会(CHINA CHAIN-STORE AND FRANCHISE ASSOCIATION)などと提携し、ヴィーチェーンソー・ブロックチェーン(VECHAINTHOR BLOCKCHAIN)上に食品の原産地や食品検査報告書、サプライチェーンなどを追跡できるシステムを構築する。これによって食品の安全性を確保し、生鮮食品を重視する中国の消費者をさらに取り込みたい考えだ。

 米中貿易摩擦が激しさを増す中、6月28~29日に大阪で開催された20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)に合わせて行われた米中首脳会談では、「貿易交渉を続ける」ことで両首脳が合意。米国が5月に発表していた3250億ドル(約35兆円)相当の中国からの輸入品への追加関税は先送りされることとなった。