ファッション

豊島が東大生研とソサエティ5.0への挑戦 未来のスマートウエア開発へ第一歩

 東京大学生産技術研究所(以下、東大生研)は、繊維商社の豊島が昨年10月に東大生研に設立した「豊島ライフスタイル寄付研究部門」の第1回目となる研究内容を発表した。同部門は豊島の寄付をもとに開設されたもので、ファッション業界や社会が抱える課題の解決に貢献する技術を、東大生研の工学系の研究から見出し、試作を繰り返して実用化や事業化を目指すもの。

 発表されたのは「ヒョウヒ(HYOHI)」と命名されたスマートウエア。複数のセンサーを装着した衣服を着用することで、そのセンサーが心拍、呼吸、栄養値、ビタミン値、ホルモン値など身体情報を計測して、個々人に合った体調調整を可能にし、例えば病院に行かなくても手軽に健康管理ができるというもの。医療や介護などのほか、ソサエティ5.0(超スマート社会)時代に向けたライフスタイルの進化と充実につながるものとして期待されている。この研究は、先ごろ新橋のザ コア キッチンで開かれた「デザインアカデミー」のトークイベントで、東大生研と協力している英国ロイヤル・カレッジ・オブ・アートのウエアラブル研究者、アンドリアーナ・ナッソー(Andriana Nassou)さんが発表した。

 東大生研の戸矢理衣奈・特任准教授は「東大生研が経験のないファッションとテクノロジーを融合した新しい試みだ。豊島との提携によりさまざまな可能性を探っていきたい」と話した。また。豊島の藪輝彦・常務取締役は「今後、半年に1度、研究成果を発表する会を設ける予定だ。5年後をめどに事業化したい。ファッションにとどまらず、さまざまな分野の可能性を探りたい」と抱負を語った。

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

原宿・新時代 ファッション&カルチャーをつなぐ人たち【WWDJAPAN BEAUTY付録:中価格帯コスメ攻略法】

「WWDJAPAN」4月22日号の特集は「原宿・新時代」です。ファッションの街・原宿が転換期を迎えています。訪日客が急回復し、裏通りまで人であふれるようになりました。新しい店舗も次々にオープンし、4月17日には神宮前交差点に大型商業施設「ハラカド」が開業しました。目まぐるしく更新され、世界への発信力を高める原宿。この街の担い手たちは、時代の変化をどう読み取り、何をしようとしているのか。この特集では…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。

メルマガ会員の登録が完了しました。