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初のミラノで見せた「ベッドフォード」の原点 軽やかさを手に入れた骨太な男服

 山岸慎平の「ベッドフォード(BED J.W. FORD)」は13日(現地時間)、ミラノ・メンズ・コレクションで2019-20年秋冬コレクションをランウエイショー形式で発表した。海外でのショーは、18年6月のピッティ・イマージネ・ウオモ(PITTI IMMAGINE UOMO)に続いて2度目。

 前シーズンのウエスタンを艶っぽくアレンジしたスタイルを踏襲しながら、テーラードの軸をより太くし、クリーンでシャープなリアルクローズに寄せた。生地を割いて裏地を覗かせたり、紐を垂らしたりしてニュアンスを作る得意のディテールは健在だが、それらを過剰に盛り込み過ぎないことで、素材感の美しさが際立った。

 ここ数シーズンは海外進出を目指し、時にはストイックに、かつ大胆なデザインにも挑戦してきた。しかし今回はそんなクリエイションを一旦見直し、山岸デザイナー自らが直感的に着たいと思えるデザインを大切にしたという。「ランウエイ形式の発表を始めてから、ショーで映えるデザインを意識するあまり、自分が着たい服のイメージとズレてきたのを感じていた。だから今回は前シーズンの要素を意図的に残し、カジュアル感を強めた」。初挑戦の舞台という点では、ややインパクトに欠けるのかもしれない。しかし、飛び道具でインパクトを狙うブランドでもない。デザイナーの内面からにじみ出る「かっこいい」という感覚に素直に従うことで自然と肩の力が抜け、軽やかさを手に入れた。既存の顧客の期待は裏切らないはずだ。次シーズンのショーについては「まだわからない」とした。

 ショーでは「アディダス オリジナルス(ADIDAS ORIGINALS)」とのコラボレーションも登場した。さまざまなスポーツシューズのソールを組み合わせたスニーカー3型や、ベルベット素材のトップス、パンツなどウエア5型を制作したという。