ニュース

ウォルマートが大型モールを業態転換 地域密着型で高額所得者狙う

 米最大の小売り企業ウォルマートは、既存の大規模モール施設をより高額な所得者層を獲得するための都心型新業態へと転換する。

 「ウォルマート リイマジンド センターズ(WALMART REIMAGINED CENTERS)」として改装されるのは、「ウォルマート スーパーセンターズ(WALMART SUPERCENTERS、以下スーパーセンター)」と呼ばれるアメリカ国内で数十店舗を展開する大規模モールのうち、アーカンソー州ロジャーズの店舗をはじめとする7州8店舗で、その他10以上の店舗をフードトラックやコミュニティースペースを擁する同施設のライト版としてオープンする。新たな業態では駐車場に公園を設置し緑化を推進したり、他企業が地域経済に貢献する活動ができるようなオフサイトエリアを提供し、防災などさまざまなビジネスを活性化することで、地域への浸透を図る。

 今回の業態転換に際して開設された専用サイトでは、新たなコンセプトに加えてテナント誘致を目的とした地域ごとの情報を発信。サイトで公開中のイメージ図にはレストランやバーといった飲食業態にリース可能な広大なフードホールがあり、ウォルマートはコールドプレスジュースで人気の「プレストジューサリー(Pressed Juicery)」や「バルタコ(Bartaco)」「シェイクシャック(Shake Shack)」などをテナントの候補として挙げている。

 また、業態コンセプトの一つにハブ・アンド・スポーク戦略を掲げ、体験型ゾーンと施設を徒歩圏内で結び、飲食店舗やヘルス&フィットネスなど、さまざまなサービスやエンターテインメントへのアクセスを施設の中心部から可能にする。体験型ゾーンには保育所やペット預り所、救護室、腎臓治療施設などの設置を予定しており、いくつかの施設では、自転車のライドシェアサービスやバス停など、住宅地からの移動を考慮したモビリティーハブを設ける。場所によっては歩行者と自転車専用の通路も設ける。また、フェスティバルや季節ごとのファーマーズマーケット、イースター、ハロウィンといった地域住民のためのイベントの開催も計画している。

 LB・ジョンソン(LB Johnson)=ウォルマート・リアルティ・オペレーションズ副社長は、先日アトランタで開かれた国際ショッピングセンター協会で「小売業者はより多くの顧客を魅了し、滞在時間を延ばすために、製品とサービス、エンターテインメントそして設備を融合した施設を必要としている」と発言した。

 2016年にウォルマートは店舗展開を縮小し、将来的に成長が期待できるモバイルとオンラインチャネルに集中すると宣言。当時、スーパーセンター12店舗を含むアメリカの154店舗を含めた世界269店舗の閉鎖を発表していた。