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フリーダ・ジャンニーニ、グッチでの10年間を振り返る

 2015年に「グッチ(GUCCI)」のクリエイティブ・ディレクター就任10周年を迎えるフリーダ・ジャンニーニが、これまでの道のりを振り返りながら、今後について語った。

 「プラダ(PRADA)」でレザーグッズのデザイナーとして経験を積み、02年から「グッチ」でバッグ担当を経て、05年にはウィメンズのクリエイティブ・ディレクターに就任したフリーダ。初めてデザイナーを志した時から、「グッチ」で仕事をするのが夢だったという。先日、同ブランドとの契約を更新したそうだ。「この10年間はあっという間だった。満足のいく仕事も、そうでない仕事もあったけれど、今では、ブランドをエレガントで洗練されていながらもブルジョア的要素を兼ね備えた世界に導くため、進むべき道が見えてきた」と話す。

 「メイクはスタイル、そして私たちのデザインを完成させる大切な要素」として、9月にはブランド初のカラーコスメを発表する。将来的にはホームラインも視野に入れているようだ。最初のステップとして昨年、イタリアの伝統的な高級陶器ブランドの「リチャードジノリ」を買収した。

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 昨年の第4四半期決算では、売り上げが前年同期比94.5%とふるわなかった。バッグの素材をキャンバスからレザーに変更したことによる、商品の単価アップが要因と考えられている。しかし、製品のクオリティを重視し、イタリア製にこだわり、サプライヤーの見直しから職人の選別など最高の人の手で全工程を経ることに細心の注意を払ってきたフリーダに迷いはない。また、彼女はここ数年自身も「多少使われすぎたかもしれない」と話す、「グッチ」のロゴが持つ普遍性も信じている。「ロゴは、ブランドのアイデンティティを表すもの。ロゴは『使う』『使わない』ではなく、『どう扱うか』が重要」とフリーダ。メガブランドゆえしばしば流れる退任の噂に対しては、「いつかはブランドを去り、才能ある若手デザイナーが活躍するだろう。自分が60歳まで『グッチ』にいるとは思っていない。しかし今は『グッチ』とのハーモニーが確立されている」と冷静に否定した。

 フリーダは、ブラジル市場への注力についても語った。現地では「グッチ プルミエール」の需要が伸びており、メンズスーツのオーダーも多い。クチュールラインは、現在は「ビジネスというより、イメージ構築の一手段。でも体制が整い次第、拡大することも考えている」という。5月には、サンパウロで「グッチ」アーカイブの展示会を開き、リオデジャネイロではフリーダ本人が学生に向けた講義を行なうなど、南米におけるブランドの存在感を強めようとしている。

 今年は、「グッチ」が日本に進出して50周年を迎える。10月に行なうパーティは、来日するフリーダが主催。また、モスクワ旗艦店のオープニングや、マイアミでニューヨーク・タイムズ主催の国際ラグジュアリー協議会でスピーカーも務める。デザイナーとしてだけでなく、「グッチ」の顔として精力的に活動を続ける。