ファッション

「ミュベール」、卸をしない新ブランドに挑戦

 「ミュベール(MUVEIL)」は新ブランド「M」を始動し6月16日、旗艦店を東京・神田の神田明神の境内奥のビルの一室にオープンする。「M」は、2016年プレ・フォールに立ち上げた“クリエイションライン”に変わる位置付けだが、国内に60、海外に30アカウントを持つ「ミュベール」と差別化し、卸ビジネスを行わない。神田の旗艦店1店舗と7月16日に立ち上がるeコマース、加えて、年4~5回程度、全国のギャラリーでポップアップストアを開く。旗艦店やポップアップストアで「M」のコンセプトに共感するアーティストの企画展を行い世界観を訴求していく。素材のクオリティーや目の届く範囲の工場とタッグを組みメード・イン・ジャパン(ニットなど一部は中国生産)にこだわり、価格帯は「ミュベール」に比べ15%程度上げる。1シーズン30型程度を目安に、上質なもののみを提案する。

 中山路子デザイナーはブランド立ち上げについて、「『ミュベール』は今年で10周年。時の経過とともに、楽しみたいテンションのとき、静かに過ごしたいとき、自分を表現したいとき、自分を控えたいときなどさまざまな感情を覚えるようになりました。『ミュベール』は私のポップな一面を見せる場としたら、『M』は静寂さや内に秘めた想いを表現する場。どちらも私だし、女性はそういった相反する感情を持ち合わせていると思うから」とコメント。またデザインのアプローチについては「『ミュベール』は着る人が主役になれる服でプラスするデザインが特徴だが、『M』は、マイナスしていくイメージ。着る人が主役ではなく相手を立たせるような服」だという。「M」はメンズウエアにさりげないディテールを加え再構築したアイテムが多いが、素材にはベルベットやチュールといった艶っぽいものを差し込み女性らしさを控えめに加えている。袖をはじめ、生地にボリュームを持たせたりすることで、「着ることで新たな美を生む洋服を提案したい。袖をそっとつまんだりと周囲を気遣う仕草を意識したり、ボリュームのあるウエアに身体を入れることで、新たなドレープを生み出すといった具合に、その人の新たな表情を引き出したい」と中山デザイナー。

 ブランド名「M」は「Middle」や接頭辞「Mid-」「Midi-」の頭文字から取った。「M」の「真ん中の」といった意味がある。「相反する要素を中和するような服を作りたい。そして、旗艦店『M』の空間に立ち、人と人とをつないでいけるような存在になればという思いを込めました」と中山デザイナー。「M」のメンバーは中山デザイナーのほかに、アーティストのキュレーションやVMD、販売やPR活動などデザイン以外の部分を担う宮田文太郎ディレクターと立花アンドレア乃絵美の3人のみ。宮田ディレクターは「『M』は中山デザイナーと近い距離にあるブランド。土日は通常営業を行う予定ですが、平日はアポイント制で世界観を共感いただけるお客さまに質のいい接客をしたい。ロケーションも、記憶に残るようなものにしたかったから。ただし、気軽に立ち寄れるようにもしたかったから、企画展の時期はよりオープンにしていきたい」。

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