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全米小売、破たん企業の不渡り総額が例年比1.5倍の恐れ

 世界的格付け企業のフィッチ・レーティング(FITCH RATING)は、今年、アメリカの小売企業が不渡りにしそうな債務は、債務総額の9%程度に及ぶとの見通しを発表した。不渡りになりそうな債務の総額は60億ドル(約6780億円)に及ぶというが、危機に瀕しているシアーズ・ホールディングス(SEARS HOLDINGS)や苦境に陥るJ.クルー(J. CREW) グループの動向次第では、「その総額は、大きく変わる可能性が高い」としている。例年、不渡りになる債務の総額は40億ドル程度(約4520億円)と同社。今週月曜日には、全米48州に1200以上の店舗を持つ「ルー 21(RUE 21)」が日本の民事再生法に相当する連邦破産法第11条の適用を申請したばかりだが、大型倒産は今後も続きそうとの見通しだ。

 同社はこの要因を、「消費者の購買行動の変化」と分析。「消費者はサービスや体験に価値を置くか、ファストファッションやアウトレットで割り切った買い物をするか二極化している。このため、既存店売上高が前年割れする小売企業は、リアル店舗などの固定費が重くのしかかり、資金の流動性が低下している」と続ける。

 同社は、「子ども服ブランドの『ジンボリー(GYMBOREE)』は、破たん寸前。シアーズ・ホールディングスやナイン・ウエスト・ホールディングス(NINE WESTHOLDGINS)、トゥルー・レリジョン・アパレル(TRUE RELIGION APPAREL)などは、債務が重くのしかかっている」と話す。日本の100円均一ストアに当たる「99 セント オンリー ストアーズ(99 CENTS ONLY STORES)」も厳しい状況だ。

 別の格付け会社S&P グローバル レーティング(S&P GLOBAL RATING)は、ナイン・ウエスト・ホールディングスの格付けを“トリプルCマイナス”に引き下げた。ナイン・ウエスト・ホールディングスは現在、約15億ドル(約1700億円)の債務を抱えているという。

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