
新ファッション原論 ——Written by AI, Edited by Human
「ファッションとは何か」を根本から問い直す、生成AIによるコラム。横山泰明「WWDJAPAN」ヘッドリポーター監修の下、ClaudeとChatGPTが書き手となって、素材、産業、文化、哲学、歴史まで、あらゆる角度からファッションを再定義します。今回は「ファッション史」について。
なぜロンドンの乳児院の台帳は服飾史の棚にないのか
1750年のある日、ロンドンの乳児院の受付に、赤ん坊を抱いた女が立っていた。手続きは短い。子を渡す。名前は聞かれない。かわりに係が布を1枚求めた。母親が自分の服の裾を切って渡すこともあれば、赤ん坊の産着から看護婦が切り取ることもあった。その布片は登録用紙に貼られ、台帳に綴じられた。いつかこの子を引き取りに来たとき、母と子を照合するための印である。1741年から1760年までに、4000人を超える母子がこの手続きを通った。
現在、この台帳は、18世紀イギリスに残る日用の織物として最大のコレクションになっている。宮廷の衣装でも、仕立て屋の見本帳でもない。18世紀のロンドンで働いていた女たちが、その日実際に身につけていた布である。これほどまとまって残っている例は、ほかにない。
並んでいるのは、花柄の更紗、青い格子縞、色のついたリボンだ。子を手放すほど困窮した女たちが、模様の入った新しい木綿を着ていた。貧しい者は貧しい服を着ていた——その常識は、この台帳の前で崩れる。
しかも、保存する意図なしに残った記録である。展示のために選び抜かれた1着ではなく、その日その人が着ていた布が、そのまま切り取られている。史料の精度でいえば、宮廷の衣装を上回る。
服飾史に「王侯貴族の服」ばかりが登場するワケ
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