スペインの経済紙「エクスパンシオン(Expansion)」は、エスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES以下、ELC)がプーチ(PUIG)との取引資金として約50億ユーロ(約9300億円)の資金調達を米金融大手JPモルガン・チェース(J.P. MORGAN CHASE)に委託したと報じた。これを受け、プーチの株価は21日、5%超上昇した。
同報道について、プーチの広報担当者はコメントを控えた。ELCの広報担当者からは同日中に回答を得られなかった。既報の通り、ELCとプーチは3月23日、両社の事業統合に向けて協議を行っていると発表している。
「エクスパンシオン」によると、現在の協議では、ELCは現金と株式を組み合わせた対価での買収案を提示する見通し。同紙は情報源の詳細は明らかにしていない。
また同紙は、ELCとプーチはいずれもデュアルクラス株式構造(議決権の異なる複数種類の株式を発行し、創業家が経営権を維持できる仕組み)を採用しており、議決権の強い特別株式を通じて創業家が経営権を維持していると指摘。プーチ家はクラスA株により議決権の93%を保持できるのに対し、ローダー家はクラスB株により82%の議決権を有している。
取引の大部分が両家間の特別株式の交換によって構成される場合、プーチはELCにおいてローダー家と並ぶ主要株主となる可能性がある。一方でELCは、プーチの少数株主に対して現金での買い取りオプションを提示する必要があるため、30億〜35億ユーロ(約5580億〜6510億円)の資金確保が求められる。また、プーチの約15億ユーロ(約2790億円)に上る総負債のリファイナンス(既存の借入金の借り換え)も必要になるという。さらに同紙は、株式交換の可能性や、プーチの現金を負債返済に充てる可能性についても言及している。
「エクスパンシオン」によると、ELCはJPモルガンのほか、複数の銀行とも協議を進めている。
プーチの株価は21日、前日比5.5%高の18.67ユーロ(約3472円)で取引を終えた。買収時に株価に上乗せして提示される買収プレミアムや統合による成長期待が意識されたとみられる。