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スギ薬局PBスキンケア「ドリップチューン」が想定超えヒット 売り場の“未開拓ゾーン”を狙った戦略が奏功

スギ薬局が2024年11月に立ち上げた化粧品プライベートブランド(以下、PB)「ドリップチューン(DRIP TUNE)」が好調に推移している。化粧水、乳液、クリームの3製品でスタートし、初年度目標の2倍以上の販売実績を記録。一時欠品が発生し、同社は「お客さまには大変申し訳ないが、うれしい悩み」と話す。

売り場の“空白地帯”に着目

同社は「コスメ領域の強化」「プライベートブランドスキンケアの拡充」という課題解決を目的に、カラーズを開発パートナーに迎えて開発に取り組んだ。自社の店頭市場分析を行った結果、プチプラとカウンセリングコスメの両極にボリュームゾーンが集中する一方で、「30代女性をターゲットにした1000円台(化粧水基準)のブランド」というポジションに空白を発見。この攻略で新たな需要の獲得を目指した。

さらにターゲットとする30代女性は「エイジングの始まりを自覚し、20代では感じなかった小ジワ・ハリ不足・毛穴の開き・くすみを意識し始める」時期であると分析。本格的な老化対策よりも“初期エイジングケア”への関心が高まる傾向にあると見ている。また、紫外線ダメージの蓄積により、20代の頃よりもシミ・そばかすの定着に敏感になり、「予防美白」から「できてしまったシミのケア」への意識変化もあると推察した。

価格志向の変化も顕著で、学生~20代はプチプラ中心だったが、30代は“結果を求める層”と“時間やお金をかけにくい層”に二分化する傾向が見られるという。前者はミドルプライス(4000〜6000円前後)へ移行し、後者は引き続きプチプラを選択する傾向にあると仮説を立てた。

“4P”戦略が奏功

「ドリップチューン」は、両者のニーズを汲み取り、「プレイス(Place)」「プロモーション(Promotion)」「プロダクト(Product)」「プライス(Price)」の“4P”に注力。店頭ではセルフ棚を設けて視認性を高め、什器やポップで魅力を効果的に伝達。さらに、SNSやアプリを活用し、ブランドの世界観を訴求した。

これらの取り組みが奏功し、スマッシュヒットを生んだ。担当者は「複数の肌悩みを一手にケアできる高機能PBとしての設計が支持された。機能や特徴が一目で分かるデザイン性がフックとなり、実際に使用した後の効果実感がリピートにつながった」と分析する。

このほど発売された美容液“発酵セラム”(30mL、2398円)は、「ブランドの持つパワーを最大限発揮するスペシャルアイテム」と位置づけ、さらなるブランドの飛躍を後押しする期待を込める。

189種のペプチドを高濃度で含有する玄米麹発酵液をシリーズ最高濃度で配合し、オートファジーをサポートする成分「コイハロース」をブランドとして初採用。さらに、ナイアシンアミドやレチノールなどの美容成分もシリーズ最高濃度で配合し、ハリと潤いに満ちた艶肌へ導く。

今後は、店頭での視認性をさらに高める什器展開に加え、SNSを活用した情報発信を強化。アプリと連動したキャンペーンなど、デジタルを活用した販促施策も検討しており、ブランドの認知拡大とファン層拡大を図る。

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