ファッション

「スワロフスキー」が130周年記念の回顧展をロサンゼルスで開催 ハリウッドと蜜月の軌跡たどる

スワロフスキー(SWAROVSKI)」はブランド創業130周年を記念し、10月29日から11月3日まで米ロサンゼルスで巡回展「マスターズ オブ ライト ― ハリウッド(Masters of Light – Hollywood)」を開催した。「スワロフスキー」の長きにわたる歴史と職人技に焦点を当てた同展は、23年の上海を皮切りに、24年にはミラノとソウルをテーマを変えながら巡回。ロサンゼルスは4都市目だ。

「マスターズ オブ ライト-ハリウッド」は20年からグローバル・クリエイティブ・ディレクターを務めるジョバンナ・エンゲルバート(Giovanna Engelbert)監修のもと、キュレーションはイギリスのファッション・ジャーナリスト兼評論家のアレクサンダー・フューリー(Alexander Fury)が担当。米国では130年のアニバーサリーの舞台として、「スワロフスキー」が濃密に関わってきたポップカルチャーを象徴するハリウッドが選ばれた。一般公開前日の10月28日には、巡回展の会場となったアミーバ・ミュージックでオープニングパーティが行われ、カイリー・ジェンナー(Kylie Jenner)やシェール(Cher)、ジェフ・ゴールドブラム(Jeff Goldblum)、アメリア・グレイ(Amelia Gray)ら、俳優やトップモデルたちがスワロフスキー・クリスタルに身を包んで来場した。

没入型の展示で魅せる
クリスタルの「過去・現在・未来」

テーマごとに9つのセクションに分かれた展示は、ブランド創業からハリウッドとともに名を馳せてきた「スワロフスキー」の歩みを辿るとともに、現在から未来への取り組みを体感させる。アレクシ・ナザール(Alexis Nasard)=スワロフスキーCEOは、「ハリウッドは映画と音楽の中心地であり、私たちと深い絆を持ってきた場所。現在でもアメリカはブランドにとって最大の市場であり、未来にも欠かせない場所だ」と話す。

入り口を入るとすぐのコーナー「タイム・チェンバー」では、1895年にオーストリアでブランドを創業したダニエル・スワロフスキー(Daniel Swarovski)が職人技と当時の最新技術を融合させて見出した高精度クリスタルの歴史を発信。ハリウッドの黄金期に銀幕を賑わせた商品の数々、名だたるファッションハウスとの取り組みの軌跡からは、100年を越えるブランドの歴史を感じさせた。

未来への次なるステップとして描かれるのは「ダイヤモンド・オブ・ザ・ルーム」のセクションだ。100年以上にわたる精密なカットや研磨の技術を生かし、「スワロフスキー」は2022年にはラボグロウンダイヤモンドのコレクションをお披露目。23年に発表した「ギャラクシー・コレクション」からは国際宝石学研究所(IGI)証明により、「スワロフスキー」が世界最高基準のラボグロウンダイヤモンドを生産していることを誇示しながら、ブランドとして常に前進を続ける姿勢を示している。

マリリン・モンローやビヨンセ、
ケイティ・ペリーの衣装が勢ぞろい

その他にもラグジュアリーブランドとのコラボレーションや、著名なミュージカルで発表されたドレス、マリリン・モンロー(Marilyn Monroe)が当時のアメリカ合衆国大統領ジョン・F・ケネディ(John F. Kennedy)の誕生日を祝って「ハッピーバースデー」を歌った際に着用したという2500個以上のスワロフスキークリスタルが輝くドレスも並び、「スワロフスキー」が100年以上にわたってファッションブランドやポップ・カルチャーと密接に関わっていることを物語る。

現在を示すパートでは色とりどりのクリスタルを壁一面に敷き詰め、多種多様なカットの技法を披露した。ブランドの歴史と高度な技術を感じさせる膨大な素材に目を奪われていると、ジョバンナ・エンゲルバートがクリエイティブ・ディレクターに就任してポップに刷新を遂げた商品の数々が目に飛び込んでくる。エンゲルバートは、「『スワロフスキー』のすべてはクリスタルから始まります。クリスタルこそが主役であり、ヒーローであり、絶え間ないインスピレーションの源です」と話す。

展示のクライマックスとなる「ポップ・アイコン」のセクションには俳優やミュージシャン、アーティストといった名だたるアイコンたちとコラボレーションをしたルックが勢揃いした。ビヨンセ(Beyoncé)のカウボーイ・ドレスやハリー・スタイルズ(Harry Styles)が23年のグラミー賞で着用したボディスーツ、ケイティ・ペリー(Katy Perry)が「メットガラ」で着用したアイコニックなシャンデリアドレスなど、著名なアーティストが纏った衣装が所狭しと並んでいる。スポットライトを浴びて輝くコラボレーション作品の数々からは、「スワロフスキー」のクリスタルがいかにアイコニックな存在である一方、汎用性もある素材なのかが感じられる。B to Cのマーケットはもちろんだが、この巡回展からはクリスタルのパイオニアとしての確固たる地位、歴史に裏打ちされたB to Bの高いニーズがあることが読み取れた。

本展の収益はチャリティ団体「ベイビー トゥ ベイビー(baby2baby)」に寄付される他、「マスターズ オブ ライト」は今後も世界中の都市で巡回する予定だ。

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