中国発の玩具メーカー、ポップマートの“ラブブ(Labubu)”がラグジュアリー市場で存在感を示すなか、“ファンシー・テディ(Fancy Teddy)”も新たなコレクターズトイとして頭角を現しつつある。
アーティストのジェフリー・メン(Jeffrey Men)が手掛ける“ファンシー・テディ”は、ウェルネスとおもちゃの架け橋となることを目指すアメリカ製のぬいぐるみだ。高品質のコットンブークレやカウハイドレザー、ベルベットを使用し、中身にはオーガニックカポックを詰め、さらにヒーリングクリスタルを用いている。
現在、 “ファンシー・テディ”は直販のみの取り扱いで、これまで7回限定販売を行った。主要市場は、カルフォルニア、ニューヨーク、オースティン、デンバーで、カリフォルニア州サンタアナにあるオレンジ・カウンティ・ミュージアム・オブ・アートでは、そのデザイン性が評価され展示されている。
データテクノロジー企業のサーカナ(Circana)の2025年初頭の調査によると、“Kidult”(子供向け製品を好む大人)やおもちゃコレクターによる消費が活況で、24年にピークを迎えたコレクターズトイの売り上げは、25年と26年にも上昇し続けると予想されている。特に、マインドフルネスやメンタルヘルス向上を意識したおもちゃへの関心が高まっているという。
“いい感じのテディベア”と称され、アリアナ・マディックス(Ariana Madix)やリンゼイ・ハバード(Lindsay Hubbard)らのセレブリティーも賞賛する“ファンシー・テディ”だが、このぬいぐるみは、もっと多くのことを表現しているとメンは言う。それぞれの個体の中には、精神的な安心感や鎮静効果をもたらすとされる50種類のヒーリングクリスタルから選んだ3つのクリスタルが入っており、それぞれに異なる個性を持つ。他のコレクターズトイとは一線を画す“ファンシー・テディ”は、「あなたにぴったりのものが見つかる」とメンは言う。
メンは、「感情のつながりのことだ。人生の旅に連れていく何かを持つということ、それが私とファンシー・テディとの物語の全てだ。私の癒しの旅の物語であり、人々が幼少期のノスタルジーや長続きする何かとつながることができるのであれば、それは、私たちみんながかつて一度は持っていた、ぬいぐるみとつながることなのだ」と語る。
またメンは、ブランドを展開していくにあたり、“ファンシー・テディ”の本質を物理的にも、イデオロギー的にも守っていくことに慎重な姿勢を示している。例えば、より小さいバージョンへの需要に応え、12インチの通常サイズに比べ、わずか4インチの“ミニ”バージョンを発表したが、このミニサイズをハンドバッグに装着するには、専用の保護ポーチに入れて留める必要がある。メンは、「私は自分のすることに芸術性を持ち、慎重で、誠実でありたい」と話し、“ファンシー・テディ”が今後成長するにあたって、全ての段階でそのメッセージを伝え続けることが重要だと言う。
さらに今後は、ウェルネス分野で継続的に活動しながら、アニメーション制作も視野に入れているという。