エスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES、以下ELC)は、レナード・A・ローダー(Leonard A. Lauder)名誉会長が6月14日に死去したことを発表した。92歳だった。詳しい死因は明らかにされていないが、家族に囲まれて息を引き取ったという。
同氏は、ELCの創業者であるエスティ・ローダーとジョセフ・ローダー(Joseph Lauder)夫妻の長男として生まれ、1958年、25歳の時に正式に家業に入った。72年から95年まで社長を、82年から99年まで最高経営責任者(CEO)を務めた。95年には会長に就任し、2009年6月に同職を退任以降も取締役として留まり、昨年11月の任期満了まで同社をけん引した。
在任中、1960年に英国の老舗百貨店ハロッズ(HARRODS)に進出し初の海外展開を実現したほか、「クリニーク(CLINIQUE)」や男性用スキンケアの「アラミス(ARAMIS)」「ラボ シリーズ(LAB SERIES)」など多くのブランドの立ち上げを指揮した。同社のM&A戦略にも深く関わり、「ボビイ ブラウン(BOBBI BROWN)」「ラ・メール(LA MER)」「アヴェダ(AVEDA)」「M・A・C」「ジョー マローン ロンドン(JO MALONE LONDON)」「バンブル アンド バンブル(BUMBLE AND BUMBLE)」などの買収にも携わった。60年以上にわたり、ビューティ業界における革新の先駆者として、ELCを単一ブランドを販売する企業から現在のような多ブランドを展開し業界をリードするグローバル企業へと育てた。
ELCのステファン・ド・ラ・ファヴリー(Stephane de La Faverie)社長兼CEOは声明で、「レナード・ローダーは多くの人々に愛され、惜しまれる存在だった。従業員にとって彼はインスピレーションの源であり支援者だった。業界においては、アイコンであり、先駆者であり、世界中から尊敬を集めた。彼のエネルギーとビジョンは当社に貢献し、その影響は今後も世代を超えて継承されていくだろう。彼は会社の一人ひとりを深く思いやる情熱的なリーダーだった。レナードと共に働けたことは、私にとって最高のメンターから学ぶ機会を得る特権だった。彼は私たち全員の記憶に残り続けるだろう」と述べた。