横編み機大手の島精機は、2025年3月期連結決算で純損失142億円を計上する。主力の横編機が、アジアや欧州、日本で軒並み苦戦した。売上高は前期比9.4%減の325億円、営業損失は119億円(前期は4億円の黒字)、経常損失は114億円(前期は10億円の黒字)だった。赤字転落を受け、24年10月から実施している役員報酬の減額を9月まで延長する。監査等委員の取締役も社外取締役を除き、取締役報酬の一部を自主返上した。
不振の要因は中国と欧州で続く景気減速に伴う、アパレル生産国のアジア地域での設備投資の下振れだ。中国、東南アジア、バングラデシュで売り上げが減少した。主力事業の横編機事業の売上高は前期比10.3%減の232億円だった。
世界的な市場の低迷以上に赤字の大きな要因の一つが高コスト体質だ。同社はセグメントに帰属しない一般管理費や研究開発費を全社費用として25年3月期に69億円計上しており、赤字幅が拡大する要因となっている。売上高が9.4%減となる一方、販管費は4割以上増加し205億円となり、粗利率は26ポイント悪化の26.5%に落ち込んだ。
ただ、26年3月期はアジア地域での市場の回復を見込んでおり、売上高は前期比36.8%増の445億円、営業利益が15億円、経常利益が23億円、純利益は20億円を計画する。