兵庫県西脇市に拠点を置くファッションブランド「タマキニイメ(tamaki niime)」は4月1日から、「純粋な国産」を掲げるデニム製品を販売する。自ら栽培した綿花を使用。大正紡績(紡績)、藍屋テロワール(本藍による糸染め)、日建千歳サイジング(整経)、篠原テキスタイル(製織)、石井刺繍(刺繍)と組み、綿花栽培のほか素材開発とデザイン・企画・縫製は「タマキニイメ」で行い、資材も含め全素材・全工程で純度100%の国産品になる。価格はデニムのロングコートが110万円(税込み)、パンツが66万円、カバーオールが88万円、ジーンズが66万円。神奈川県鎌倉市にある直営店で販売する。
玉木新雌デザイナー率いる「タマキニイメ」は、播州とも呼ばれる西脇市に自社工場兼アトリエ兼ショップを持ち、工場には紡績機や織機、編み機、ミシンなどを備え、敷地内で綿花栽培も行っている。糸からテキスタイル、縫製まで、ファッションブランド自らが多彩な機械を所有し、内製化しているのは世界的にも極めて珍しい。
今回のプロジェクトでは自社だけでなく、国産藍の栽培と本藍染めに取り組む藍屋テロワールなど、日本の繊維産地を横断し、複数の企業とコラボレーション。アパレル製品の国産比率が1.5%にまで落ち込む中、原料や工程も含めて100%国産で作り上げた。