ビューティ

「エルメス」が新リップスティックをパリで披露 着想源の貴重なアーカイブピースの展示や体験型イベントも開催

エルメス(HERMES)」はビューティラインの誕生5周年を迎え、リップスティックの第2弾となる新作コレクション“ルージュ エルメス ルージュ ブリヤン シルキー”(全14色、各9240円/レフィル、各6380円※レフィルは発売日未定)を3月12日に発売する。それに先駆けて、25-26年シーズンのパリ・ファッション・ウイーク会期中の3月5日に、「エルメス」パリ・セーヴル店で約40人のゲストを招いた親密なディナー会を開き、ムヌー・ドゥ・バズレール(Menehould de Bazelaire)=「エルメス」文化遺産部門ディレクターが“ルージュ ブリヤン シルキー”の着想源となったメゾンのアーカイブを紹介した。

「エルメス」のビューティラインは、2020年春にデビュー。最初のコレクションは、美しい唇のために生み出したリップスティック“ルージュ エルメス”だった。それからチークを中心とした“ローズ エルメス”、手を美しく保ち、魅せるためのハンドケアアイテム“レ マン エルメス”を発表。22年にグレゴリス・ピルピリス(Gregoris Pyrpylis)がビューティ部門クリエイティブ・ディレクターに着任して以降、ベースメイクからカラーコスメとバリエーションを広げ、シーズン毎にリミテッド・エディションを展開している。新作コレクション“ルージュ ブリヤン シルキー”は、ピルピリス=ビューティ部門クリエイティブ・ディレクターが手掛ける初めてのルージュだ。

レザーにヒントを得てマットとサテンを基調とした第1弾の“ルージュ エルメス”に対し、“ルージュ ブリヤン シルキー”はその名の通り、艶やかな輝き(ブリヤン)とシルクのように滑らかなつけ心地を特徴とする。この質感は、メゾンが1937年に発売した“スカーフ カレ”と呼ばれる正方形のスカーフのアーカイブピースから着想を得た。その中でも、約20年にわたりメゾンのシルクスカーフのデザインを手掛けたユーゴ・グリッカー(Hugo Grygkar)による、パリ最古の花市場へオマージュを捧げる作品が創造性を刺激したという。シルクツイルを素材にした花のイラスト部分は、手作業による二重織りでベルベットの立体的な構造となっている。天然由来のオイルやバターの原材料を85%配合したフォーミュラにより、シルクツイルとベルベットの滑らかで光沢のある質感を“ルージュ ブリヤン シルキー”に反映させた。

イメージソースは7万5000以上のシルクなど

“色彩を旅する”をテーマに、「エルメス」のビューティラインは7万5000以上のシルク、900以上のレザーの色見本をイメージソースにカラーパレットを構成する。定番の14色と2025年春の限定3色で発売する“ルージュ ブリヤン シルキー”は、メゾンを象徴する5色の赤系のカラーが基盤。ディナー会では、1988年にウインドーディスプレー用に作った、さまざまな色調の赤色を使った“スカーフ カレ”や、ブラウンとバーガンディーの中間あたりに位置するダークレッドの“ルージュH”に染めたアイコニックな“ケリー”バッグを披露した。このアーカイブピースは、“ケリー”バッグが誕生した30年代後半に製作した初期のモデルで、かつてオペラ歌手のリリー・ポンス(Lily Pons)が所有していたもの。当時は"サック ア クロア”の名で発表し、50年代半ばにモナコ公妃となった女優のグレース・ケリー(Grace Kelly)が愛用していたことから正式に現在の名称に改めた。

このほか、50年代に発表したビーズ刺繍を施したベルベットのグローブや、28年に誕生した同じくベルベットのポシェットに“ルージュ ブリヤン シルキー”はインスパイアされ、慎ましい輝きと滑らかな肌触りをリップスティックに落とし込んでいる。また、ビューティとメゾンのつながりの原点を示す作品としては、「エルメス」3代目エミール・エルメス(Emile Hermes)の個人的なコレクションであった、18世紀に作ったマザーオブパールに金細工をあしらった香水瓶などを紹介した。

イベントで楽しみながら新作を体感

パリ・セーヴル店で開催したディナー会の翌日には、“ルージュ ブリヤン シルキー”の発売を記念したイベントを、パリ造幣局だった建物で開催した。会場では、占い師によるカード占いを体験できる謎めいた空間を抜けた後、そのカードが鍵となって奥のドアへと進むことができ、ポップな色に溢れた異世界へとつながる演出。巨大な“ルージュ ブリヤン シルキー”のオブジェの中からパフォーマーが現れ、バレエを取り入れた軽快なダンスで同リップスティックの軽やかなつけ心地や生き生きとした鮮やかな色、弾けるみずみずしさを表現し、「エルメス」らしい体験型のイベントでゲストを楽しませた。メゾンに脈々と受け継がれるエスプリを反映した“ルージュ ブリヤン シルキー”は、表情に輝きを与えてユニークな個性を際立たせるリップスティックとして、「エルメス」ビューティラインの仲間入りを果たした。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

デムナの「グッチ」は賛否両論? 「ジバンシィ」「トム フォード」「ドリス」も注目の2025-26年パリコレ特集 【WWDJAPAN BEAUTY付録:「第8回WWDBEAUTY ヘアデザイナーズコンテスト」結果発表!】

3月24日発売の「WWDJAPAN」は、2025-26年秋冬パリ・ファッション・ウイーク特集をお送りします。デザイナーのシャッフル人事が続く中、今シーズンは「ジバンシィ(GIVENCHY)」がサラ・バートン(Sarah Burton)で、「トム フォード(TOM FORD)」がハイダー・アッカーマン(Haider Ackermann)で、そして「ドリス ヴァン ノッテン(DIRES VAN NOT…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。