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コーセーが純粋持株会社体制への移行意思を表明 「脱・自前」で企業力を強化

コーセーはこのほど、純粋持株会社体制への移行に向けた検討の開始を表明した。2025年3月の株主総会の承認などを経て、2026年1月をめどに移行する。これにより、グローバルでの多様なビジネスモデルの展開と提供価値の拡大に向けた体制「ビューティーコンソーシアム構想」の実現を目指す。

「ビューティーコンソーシアム構想」とは、コーセーグループと同じ思いを持つ企業やブランドと互いの強みを活かし相互的な連携を通じて、持続的な成長と企業価値向上を目指すものだ。この実現に向けて、持株会社傘下の企業と機能を連携して統合し、資金配分の戦略性や機動性をより一層高める体制を確立する。また、グローバルでの多様なビジネスモデルの展開とウェルビーイング領域への提供価値拡大を加速する。

脱・自前でグローバルでの成長を目指す

同社は30年のマイルストーンに向け、グローバル企業への進化・構造改革の完遂と基盤再構築・確実な成長スパイラルへの転換の3つのフェーズを設定。その中で、既存事業の収益性の改善によるキャッシュの創出と手元資金を有効に活用し、インオーガニックな成長のためにM&Aや事業提携に投資し新たな事業領域拡大につなげる。利益創出の源泉として、「コスメデコルテ(DECORTE)」「アルビオン(ALBION)」「タルト(TARTE)」を中心としたハイプレステージ事業を定める。

「これまで自社のリソースを活用し日本生産の商品を海外で展開してきたが、成長スピード上がらなかった」(小林一俊社長)ことから、グローバルでの事業成長は、脱・自前による地域への最適化を主軸の考えとし、現地起点のマーケティングやモノ作りへの転換やM&A、提携を積極的に進める。「中華圏への依存を反省し、次の成長領域としてグローバルサウス市場に目を向ける」と小林社長は語る。グローバルサウス市場攻略のため、コーセーコスメポートなどのコスメタリー事業に注力する。それぞれの地域特性に合わせたグループ連携を通じて、30年度の海外売り上げ比率50%以上を目指す。

内側から筋肉質な事業構造へ

事業規模の拡大と筋肉質な事業構造への転換に向けて業務改革も推進する。グローバルでの成長の実現に向けて、組織のグローバル機能を拡充し、現地法人に対する機能と権限の委譲を進める。同時に、グローバル人材の育成と拡充にも着手する。

商品開発体制のグローバル化や事業規模拡大に対応できる基盤の構築も進める。「稼ぐ力」を再構築するべく、SKUあたりの効率性の向上、在庫、原価、廃棄低減活動の推進、投資対効果の可視化と最大化にも注力していく。

さらにビューティに軸足を置きながら、医薬品、美容医療、健康美容食品といったウェルビーイング領域にもアプローチする。成長領域として、ジェンダー、ジェネーレーションの拡大を推進する。

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