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韓国「オリヤン」でリピート率40%超えのヘアケアブランド「アノブ」 キーパーソンにインタビュー

韓国発ヘアケアブランド「アノブ(UNOVE)」は、韓国最大のドラッグストアチェーンのオリーブヤング(以下、オリヤン)で、2022と23年の2年連続でヘアケア部門売り上げ第1位を獲得するなど人気を誇っている。日本では、キューテン(Qoo10)などのオンラインで販売していたが、24年4月に本格上陸。ロフト(LOFT)やプラザ(PLAZA)などのバラエティーショップだけでなく、より手の届きやすい全国のドラッグストアへも販路を拡大している注目のヘアケアブランドだ。

日本上陸後の売れ行きや今後の戦略などをクォン・ギュウォン副社長と、ムン・イェイン ブランド統括ディレクター兼ブランド開発室室長に聞いた。

「アノブ」とは?

PROFILE: ムン・イェイン/Wyatt.,Inc ブランド統括ディレクター兼ブランド開発室室長

ムン・イェイン/Wyatt.,Inc ブランド統括ディレクター兼ブランド開発室室長
PROFILE: エスティーローダーグループ、資生堂コリア、マンダムコリア、アモーレパシフィックなどのビューティブランドでマーケティングコミュニケーションを担当。また、ネイバーカカオビューティーマガジンでチャネル運営を手掛ける。現在「アノブ」では、ブランド統括およびブランド開発室長を担当している。

WWD:「アノブ」とは?

ムン・イェイン ブランド統括ディレクター兼ブランド開発室室長(以下、ムン):2021年に誕生した「アノブ」は“羨望の柔らかな髪へ”をコンセプトにしたヘアケアブランドで、ラインアップはシャンプー&トリートメント(本体各500g、各1540円)に加え、インバストリートメント、ウオータートリートメント、ヘアオイルなどスペシャルケアアイテムも用意。香りは共通のフローラルムスクを採用している。

WWD:中心顧客層やリピート率は?

ムン:25〜35歳の女性がメインだ。購入者のリピート率は韓国のオリヤンでの数値になるが、約40%と非常に高い。韓国国内の平均リピート率は20%と言われているため、多くの人に使用感や効果実感に満足いただけているのが分かる。

WWD:韓国で人気に火が付いたきっかけと、どのような点が評価されているのか。

ムン:ドラッグストアなどでも一際目立つファッショナブルなパッケージが若年層に刺さり、SNSで拡散されたことから、徐々にブランドが広まっていった。その後、実際に使用したユーザーが商品の良さを実感し、オーガニックの高評価なレビューがさまざまなサイトに集まった。「髪が柔らかくなった」「香りが良い」などの声が良く届く。

WWD:24年6月頃、韓国・聖水洞(ソンス)でアンバサダー2人を起用した大きな野外広告が話題を呼んだ。

ムン:ソンスは韓国で今一番ホットなスポットであり、観光客も多いため、たくさんの人々にアプローチできると考えて大きく広告を打ち出した。「アノブ」では、2つの軸を元にプロモーションを考えている。ひとつはSEVENTEENのミンギュ(MINGYU)さんや俳優のノ・ユンソ(ROH YOONSEO)さんを起用した、多くの人にブランドを知ってもらえるようなプロモーション。2つ目はファンを増やす取り組みとして、ブランドの世界観を表現した大型ポップアップの開催などに力を入れている。

「キューテン」メガ割の購入者数は昨年の約9倍に

PROFILE: クォン・ギュウォン/Wyatt.,Inc 副社長

クォン・ギュウォン/Wyatt.,Inc 副社長
PROFILE: オーストラリアで貿易事業を開始した後、韓国でマーケティング代行事業と頭皮管理センター事業を始める。2014年にスカルプケアを追求したヘアケアブランド「ドクターフォーヘアー」をローンチする。その後、韓国国内外で「アノブ」と「ドクタフォーヘアー」のマーケティング戦略に関わる。

WWD:日本での売れ行きは?

クォン・ギュウォン副社長(以下、クォン):「アノブ」はオンラインが好調で、定期開催される「キューテン」のメガ割では、23年9月の購入件数が3000件だったのに対し、24年9月は2万7000件と約9倍に。この数字には私たちも驚いた。

日本オフライン上陸後の24年4月〜9月までの期間と、24年1月〜9月のオンラインサイト「キューテン」での売り上げを合わせると、120億ウォンを突破。現在、2024年の年間売り上げ目標であった150億ウォンの80%を達成している。オフラインの入店数は、約5カ月で700店舗を突破し、合計1200店舗に入店した。25年中に約3000店舗の入店を目指し、現在日本初のポップアップストア開催も計画している。

WWD:日本と韓国で人気の商品は違う?

ムン:韓国ではヘアマスク“ディープダメージトリートメントEX”(150mL、1700円/40mL、880円)が人気で、日本では“ノーウォッシュ ウォーターセラムトリートメント”(200mL、1990円)が売れている。韓国人は直毛の人が多く、日本人はもう少し柔らかくてうねりのある人が多いため、それぞれニーズが違うことが分かった。日本では他の国であまり聞いたことのない「うねりケア」という単語があることにも驚いた。そこで湿度が高くても、ヘアセットしたての美しい髪の状態を長時間キープできるヘアケアアイテムも開発中だ。

WWD:今後の展望は?

クォン:月に何度も日本に訪問し、市場調査を行っているが、日本の消費者は桜やキンモクセイなどの季節を象徴する花の香りに対するニーズが高いことを知った。また、「限定品」というワードにも惹かれやすいイメージがある。これを受け、25年に発売を予定している限定エディションのために特別な香りを開発中だ。調香技術に強みを持っているブランドでもあるので、“「アノブ」が解釈する日本の桜の香り”を披露したい。

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