サステナビリティ
連載 エディターズレター:SUSTAINABILITY 第32回

「イッセイ ミヤケ」のショーで日本古来の素材、大麻布を考える

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「イッセイ ミヤケ」のショーで日本古来の素材、大麻布を考える

2週間前のこちらのレターで、2025年春夏コレクションをサステナビリティの観点から見るとベストコレクションは「ディーゼル(DIESEL)」だと思う、とお伝えしました。今日は「イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)」をピックアップしたいと思います。

「イッセイ ミヤケ」2025年春夏コレクションでは、麻を使った和紙や大麻布が採用されていました。古来から日本で親しまれてきた和紙とヘンプはサステナビリティの観点からも注目されています。原料となる植物の生育の速さや、生地の耐久性、通気性や消臭効果などの機能性から綿の代替え素材としても期待されているからです。

ショーでは素材の特性を視覚的に伝えるためなのでしょう、「紙っぽい」造形の服も登場しましたが、彼らが一番伝えたかったことは「それが紙である」事実ではなく、「紙にふれる際に感じる心地よさ」のはず。そのため、ショー会場には「イッセイ ミヤケ」のプリーツ加工の副産物である薄い紙の塊を再利用した椅子を用意し、紙に直に触れる機会を作っていました。プリーツ加工に使用する薄紙は加工後はリサイクルするために円柱形に圧縮しているそうで、丸い椅子はその形を活かしたものです。観客は座る前にその年輪のような断面を見て、そして触れることで紙を体感する仕掛けです。

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